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座って
居間に入ると大地さんは新聞を読んでいたがどう見ても上下が逆だった。
「聖輝、おかえり道には迷わなかったか?」
「ただいま大地さん。道には迷わなかったよ。てか、迷わないよ。」
「だよな。」
照れ隠しからか大地さんは慌て湯飲みのお茶を飲んだ。
「うわっ、マズ。」
「あら、また大地さんお砂糖入れたの?ダメでしょう。また新しいお茶を淹れますからね。」
「すまない。美央。」
本当にいつもはカッコよくて優しい大地さんが今日はダメダメなオーラが全開しているような気がする。
けど、蒼大を見ると大地さんのダメダメなオーラのおかげで落ち着いたみたいだった。
「初めて、宮垣蒼大です。これ母から皆さんでどうぞと渡されました。良かったら食べて下さい。」
「ありがとう。倉橋大地です。」
大地さんは新聞を置いて頭を下げた。
蒼大の落ち着いた態度に大地さんも落ち着きを取り戻したみたいだった。
「ふふっ、大地さんより蒼大君の方がしっかりしてるわね。見習ってね大地さん。」
「美央は茶化すなよ。」
「お茶にお砂糖入れる人だとは知りませんでした。」
「美央も飲んでみろ。美味いぞ!」
大地さん、マズってさっき言ってたよね。
それを美央さんに勧めるなんてダメじゃないだろうか?
「蒼大君、ありがとうね。座ってよ。飲み物何が良いかしら?」
「あっ、俺もお茶でお願いします。」
「僕、手伝います。美央さん。」
「聖輝君は蒼大君の側にいてあげて、2人とも座って待っていてね。」
「すみません。」
僕は美央さんの言葉に甘えて蒼大と2人で座った。
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