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早いものだね
「いぶちゃん。このごほん。」
「どれ?」
「このごほんだよ。どうぶつさん。」
大輝は卒園式を終えて今年の春から小学1年生になります。
僕は無事に製菓学校を卒業して資格も取得して今は大地さんのお店で見習いとして働いています。
蒼大も大学を卒業して今年から地元の会社に就職が決まっている。
明日から蒼大が卒業旅行という事で僕に会いに来ます。
前にあったのは冬休み?
「ねぇ、いぶちゃん。」
「ごめん。これだよね。」
今は休憩時間で居間でお昼ご飯を食べ終えて時間までのんびりしていると大輝が絵本を読んで欲しいと持ってきた。
僕は大輝を隣に座らせて絵本を読み始めた。
動物がたくさん出てくる絵本で大輝は毎日何回も読んで欲しいと持ってくる。
暗記しちゃうくらい読まされてる気がする。
「あしたはそうちゃんくる?」
「えっ?あっ、来るよ。楽しみなの?」
「うん。そうちゃんだいすき!」
大輝は蒼大が来ると僕から奪い取ります。
子供だから蒼大は僕のだからダメだよなんて言えなくて大輝が寝るまで蒼大を取られてしまう。
大輝がまだ3歳の時に目の前で蒼大の唇を奪われた時には僕は泣いてしまいました。
蒼大は、まだ小さいからキスのうちに入らないよと言ってだけれど大輝は本気だった。
『そうちゃんとけっこんする。』
そう言ってまたキスをしたんだよ。
どこで覚えてきたのだ大輝!!!!!!
大輝にはちゃんと説明をするけど納得しなくて未だに結婚すると言い続けている。
蒼大が来たら大輝に独り占めされるんだろうな・・・・・・。
妬きもちなんて大人げ無いよね。
大人げなくてもいいよ。
大輝にだけは負けたくないと思っていても大輝に僕はすぐ負けるけどね。
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