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お迎え

蒼大が3時位に来るからお店も2時で閉店を予定している。 「聖輝、後は予約のお客さんだけだし混んでないから蒼大を迎えに行く準備して悪いが大輝も連れて行ってくれるか?」 「はい。大輝、喜びますね。」 「悠真達も駅で待ち合わせだったか?気をつけてな聖輝。」 「はい。それじゃあ迎えに行ってきます。」 僕は大地さんの言葉に甘えて仕事を早く切り上げて迎えに行く準備をしに部屋に戻った。 悠真達に会って遊ぶのも正月ぶりくらいかな? 「いぶちゃん!ぼくもいく!!!!!!」 大輝はお気に入りのクマの形をしたぬいぐりみのリックを背負って僕の部屋に勢いよく入ってきた。 「待って、着替えたら一緒に蒼大達をお迎えに行こうね。」 「ぼくまってる。」 大輝はその場に座ると手に持っていたミニカーで遊び出した。 あれ? 大輝が持っているミニカーって誕生日に蒼大がプレゼントしたやつだよな? 蒼大から貰ったオモチャとかは全て大切にしまい込んでるのに珍しい。 「大輝、お迎えに行こうか?ミニカーはどうするの?持って行くの?」 「もっていく!もっていかないとダメなんだよ。」 持って行かないとダメ? 大事そうにギュッとミニカーを握りしめるから置いて行こうとは言えなかった。 「ちゃんと手に持って失くさない様にね大輝。」 「うん。」 片手にミニカーでもう片手は僕としっかりと繋がれている。 蒼大に会えるのが楽しみなのか大輝はいつもより元気が良かった。

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