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パパとママ大好き

店のドアを開けて僕は大地さんと美央さんに迎えに行くと声をかけた。 「気をつけてな聖輝。大輝も良い子にしてるんだぞ分かったか?」 「うん。いいこにするよ。パパだいすき。」 しゃがみ込んで大輝と同じ目線で話していた大地さんにギュッと抱きついて頬にチュッと唇を当てる。 「大輝、パパも大好きだ。」 大地さんは大輝をギュウッと抱きしめて頭を優しく撫でていた。 「今日はいつもより甘えてるわね。朝からずっとこんな感じなのよ。」 「そう言えばそうですね。」 朝も美央さんに同じ様にしていた。 蒼大が来るから嬉しくてやっているのかと思っていたが僕には普通に接して来ている。 甘える時は僕にもしてくるんだけど今日はやっぱり様子がおかしい気もする。 「頼むな聖輝。」 「はい。行ってきます。」 僕は大輝の手を握るとお店のドアを開けてもう一度振り返り大地さんと美央さんに手を振った。 「パパ、ママだいすき。バイバイ。」 バイバイ? お出かけする時は行ってきますって言うのに大輝はやっぱり様子がおかしい。 「いぶちゃん。はやくそうちゃんにあいたいね。」 「あっ、うん。そうだな。」 気のせい? 店を出て暫くすると知り合いのおばさんとかに僕と大輝は話しかけられながら何とか駅の改札口まで辿り着いた。 待ち合わせまで後10分。 さっきから消防車や救急車がサイレンを鳴らして走っている。 その音が怖いのか大輝は僕の手をギュッと握りしめて下を向いていた。

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