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おむねいたい

「聖輝、久しぶりだ。」 改札口から悠真と治樹君が出てきて少し後ろから智哉君が付いてきていた。 「大輝、悠真達が来たよ。」 握る手を軽く揺すりながら話しかけるけど下を向いたままで何も言わない。 さっきまでみんなが来ると興奮気味に話していたのに今は静かにしている。 はしゃぎ過ぎて疲れたのかな? 「大ちゃん、久しぶり元気だったか?」 治樹君がしゃがみ込んで下を向いている大輝を覗き込みながら話しかけた。 「なぁ、聖輝。大ちゃんどうしたの?」 「治樹君?」 「泣いてるぜ大ちゃん。」 えっ? 泣いてるってさっきまでご機嫌に話してたのに何があったの? 僕は慌てしゃがみ込んで大輝の頬を片手で包み込むと上を向かせた。 唇を噛み締めて目から大粒の涙をポロポロと零れ落としていた。 「大輝、何処か痛い?」 「い・・・た・・・おむね・・・ヒィクッ・・・。」 ミニカーを持った手で胸を押さえて泣いている。 どうしよう・・・。 「落ち着け聖輝。俺が大地さんに連絡するから大ちゃん見とけよ。」 悠真が携帯を取り出して大地さんに連絡をしてくれている。 「パ・・・パ・・・・。マ・・マ・・・・。」 「大丈夫だからスグに病院行こうな大輝。」 僕は大輝を抱き上げると頭を撫でて落ち着く様にしたけど大輝は僕の肩に顔を埋めて泣きながら小さな声で『パパ』『ママ』とずっと呟いていた。

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