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そうちゃん
悠真と治樹君は2人で連絡をしているが繋がらないみたいで何度もかけ直している。
3時、お店は閉店してるはずなんだ。
どうして大地さんも美央さんも電話に出てくれないんだ。
こんなに大輝が苦しそうにしてるのに僕は大輝を抱き上げて心配することしか出来ない。
「聖輝?どうしたんだよ。」
僕の背後から愛おしい人の声が聞こえて来た。
「蒼大・・・大輝が・・・・・・。」
大輝が不安になるからと泣かない様にしていたのに蒼大の顔を見て安心してしまい僕も泣いてしまっていた。
「大輝、おいでどうした?」
「そ・・・そうちゃん!!!うわぁ〜んっっ!!!!!!!」
蒼大の方に抱きかかえられると火が着いた様に泣き出してしまった。
僕じゃあ・・・・・頼りないのかな?
「聖輝。大地さんと美央さんにも繋がらないんだ。店にも繋がらなくてまだ閉店してないのか?」
悠真は蒼大と大輝をチラッと見ると心配した顔をして僕の頭を優しく撫でながら聞いてきた。
僕は悠真に心配される程、酷い顔してるのかな?
「店は2時までで・・・・・。」
「取り敢えず皆んな揃ったからタクシーで病院行く人と店に行く人とに分かれよう。」
智哉君が冷静に判断してくれて僕と蒼大が病院へ行く事にして、他の3人は店に大地さんと美央さんを呼ぶに行く事になった。
「そうちゃん。ぼくはおうちにかえる。」
大輝が蒼大の肩に顔を埋めながら言った。
「大輝、お胸痛くないの?」
「うん。おむねいたくない。いぶちゃんがしんぱい。」
泣き止んで目が真っ赤になってる大輝が僕を見つめながら言う。
泣いちゃったから心配してるのかな?
「大輝、僕は平気だよ。本当にお胸痛くないの?」
「うん。はやくおうちにかえる。おむねいたいのびょうきじゃないよ。」
取り敢えず大地さんと美央さんと一緒に病院に行こうという事になってタクシー2台に別れて乗り込んだ。
タクシーの中で僕と蒼大の間に座り静かにしていた。
蒼大が側にいても大人しくしてる大輝が心配で仕方がない。
いつもは蒼大の膝の上に座ったりしてベッタリとしてるのに手を握ってるだけで大輝は真っ直ぐ前を見て座っている。
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