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しっかりしなきゃ
暫く僕はその場に泣き崩れていたが今の僕の姿を見たら大地さんと美央さんが心配してしまう。
大輝の体調の事もあるから早く涙を止めて拭かなきゃダメだ。
きっと目が赤くなってるからこのままだと大輝も心配してしまうかな?
僕はゆっくりと立ち上がりお2人から取った布をまた元に戻してドアの方に歩いて行った。
店は火事だったのにお2人の顔は綺麗ですごく不思議だった。
警察の人が話があると言っていたからきっとどうしてか分かるよね?
外に出ると蒼大が少し後ろの壁にもたれて立っていた。
「聖輝。大丈夫か?」
僕に話しかけてくる蒼大の目が少しだけ赤くなっていた。
看護師さんに話を聞いたんだ。
「うん。ごめんね。心配したよね?」
「泣き止んだならいい。」
「やっぱり目が赤い?」
「確かに赤いけど外に聞こえて来てたから聖輝の泣き声。」
蒼大は僕に近寄ると優しく抱きしめてくれた。
温かくて落ち着く蒼大の腕の中で僕は強くなろうと心に決めた。
僕がしっかりとしなきゃいけない!!!!!
「大輝が心配なんだ。病気だったら嫌だから看護師さんに相談したい。」
「分かった。さっきの人ならもうすぐ戻って来ると思う。一緒に相談しよう。」
僕が小さく頷くと蒼大は額に優しくキスを落としてくれた。
蒼大が今は側に居るから僕は心強い。
これが1人だったらと思うと不安になり、きっとこんなに早く泣き止んでいなかったに違いない。
僕達は看護師さんが戻って来ると大輝の様子を話して指示を貰った。
火事だと事情も分かって貰えてるので取り敢えずは、夜間診察で対応してもらう事にした。
今日の夜間診察の先生が小児科の専門医だったからでもある。
警察の方とのお話は診察が終わってからにしてもらって僕達は急いで大輝達が待つカフェへと向かった。
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