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新しい生活
大地さんと美央さんの葬儀を終えて新たな生活が始まっていた。
「いぶちゃん。今日、体操服いるのある?」
「えっ?体操服。一昨日洗って・・・これか?」
「あっ、うん。ありがとういぶちゃん。行ってきます。」
「気をつけてね。」
大輝は玄関から勢いよく外に飛び出して行った。
あれ以来、大輝は大地さんと美央さんの話をしなくなってしまった。
きっと凄く悲しいはずなのに僕達を心配させない様にと明るくしているのだと思う。
ヤバイ、そろそろ僕も準備しないとバイトに遅れちゃう。
僕は家から近いカフェでアルバイトを始めた。
本当は就職して正社員として働きたいのだがあまり遅くなるのが嫌だった。
大輝には寂しい思いをこれ以上させたくない。
それにまだ新しい生活環境に慣れてないし人見知りもあれ以来する様になってしまったんだ。
前は誰とでも無邪気に話していたのに大輝。
だから暫くはカフェでアルバイトして大輝が新しい生活に慣れたら就職しようと思っている。
「ヤバイ 」
時計を見ると8時を過ぎていた。
僕は慌てて準備をして玄関から飛び出した。
さっきの大輝みたいだなと少しだけ自分がおかしく思えて笑ってしまった。
「聖輝君、おはよう。」
「あっ、おはようございます。」
玄関から出ると外で花壇に水遣りをしている蒼大のお母さんに会った。
色々とあったんだ。
今は2世帯住宅に蒼大の家族と住んでいる。
一階のリビングと玄関が共同で2階のキッチンとかバスルームなどは全て別々にしてある。
内装工事している間は近くのアパートに別々に住んでいた。
大輝の苗字は宮垣に変わっている。
蒼大の両親の養子になったんだ。
「聖輝君?早くしないと遅れてしまうわよ。」
「あっ、すみません。行ってきます。」
「気をつけて行ってらっしゃい。」
蒼大のお母さんに手を振ると僕は急いでカフェに向かった。
ギリギリで遅刻は間逃れました。
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