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誰ですか?
蒼大と大輝がクリスマスツリーを見ながら話をしていると家の電話が鳴ったから僕は受話器を取った。
『宮垣さんのお宅ですか?』
少し低めの男性の声が聞こえてきたが僕の知らない声だった。
「はい。」
『えっと・・・蒼大さんは居ますか?』
向こうも僕の声が蒼大ではないと分かるみたいで戸惑いながら蒼大が家にいるかを聞いてきた。
仲良い友達なら携帯に直接連絡を取るだろうし誰だろ?
『あの・・・いらっしゃらないならまた電話します。聖輝さん。』
「すっ!すみません。蒼大ですよね。お待ちください。お名前教えて頂けますか?」
『鈴原です。』
鈴原さん?
やはり聞いたことのない名前で・・・今、僕の事を聖輝さんと呼んだよね?
あれ?
僕が忘れているだけかもしれないが思い出せなくて僕が覚えていない人から名前を呼ばれるのが怖い。
「聖輝、どうした?誰からだ?」
受話器を持ったまま固まっている僕を心配して蒼大が僕の側までやって来た。
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