「お礼が言いたい。」 大輝に聞こえない位の声で呟いたんだが何故か大輝に聞こえていたみたいで目をギュッと瞑って首を左右に振った。 「こうちゃんには言えないよ。」 「どうして？」 「こうちゃんは僕のパパとママが居る所に行ったんだよ。」 一瞬、大輝の言った事が理解できなかったけれど大地さんと美央さんが居る場所って事はもう会えないって事だよね。 病気か事故でかな？ 「こうちゃんは・・・うぅ・・・ヒクッ・・・。」 「どうしたの？泣かないで大輝。」 大輝が大粒の涙をポロポロと流しながら泣き出してしまった。 僕は慌てて大輝を抱きしめて背中を優しく撫でながら落ち着かせるように大丈夫だからと何度も言った。 慌てて言った言葉が大丈夫って何に対してなんだろうと我ながらパニックになるとダメだなと反省。 「聖輝に話がって、大輝はどうしたんだ？」 「蒼大・・・それがね。こうちゃんって人の話していたら泣き出しちゃったんだ。」 「航さんの事を？」 「うん。」 蒼大も大輝の側まで来て優しく大輝の頭を撫で何も言わずにただ大輝が泣き止むのを２人で見守っていた。