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誰なの? side大輝

学校の帰り道、海君と2人でジングルベルを歌いながら帰っているとフッと海君のお隣に知らないお婆ちゃんが並んで歩いていた。 僕を見ると悲しそうな顔をしたんだ。 『海は知らないんだよ。ごめんなさいね。』 海君が知らない? 何を知らないかを聞きたいけれどお婆ちゃんが見えるのは僕だけだから声に出すと変に思われちゃう。 そう思ってるとお婆ちゃんがお話をしてくれたんだ。 『海のお婆ちゃんのお母さんだよ。』 海君のお婆ちゃんのお母さん。 きっと海君が危ない目に合わない様に見守っているんだよね。 『海はこれから遠くに行ってしまうんだよ。今迄仲良くしてくれてありがとうね。』 「えっ?遠くに行くってどうしてなの?」 僕はあまりにもビックリしたから声に出してしまっていた。 海君は、そんな僕を不思議そうな顔をしてみている。

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