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クリスマス会 9
蒼大が大輝の後について玄関までお客様を迎えに行ってくれた。
楽しそうに笑う大輝の声が聞こえて来る。
そしてその声が徐々に近づいて来ると鈴原さんの顔色が赤みを増して来たのがわかった。
「鈴原さん?」
「うそっ!」
鈴原さんがリビングの扉の前に立つ男性を見て立ち上がった。
少し身体が震えてる?
あっ!
お客様を迎えなきゃ失礼だよね。
「すみません。お邪魔します。」
「こちらこそ、大輝が勝手にご連絡してご迷惑をおかけしました。」
僕はコートをその男性から預かると軽く頭を下げた。
けれど誰なんだろ?
大輝は楽しそうに男性に抱きついて笑ってまた違う方を向いて小さな声で誰かとヒソヒソと話をしている。
僕が座っていた所に男性を案内すると鈴原さんは男性から視線を反らして静かに座っていた。
「コーヒーで良いですか?」
「はい。僕の名前まだでしたね。早川楓(はやかわかえで)といいます。ここにいる鈴原の幼稚園からの幼馴染です。」
「僕は黒岡聖輝です。今日はゆっくりしていって下さいね。」
なんだかそれしか言えない雰囲気だった。
こんな時に空気が読めない春樹が何か言ってくれたら良いんだけど大輝とまたクリスマスツリーの下で遊びだしちゃったんだよね。
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