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お風呂、入ろっかな
長い長いキスが終わる。
名残惜しいと言わんばかりにキラキラと光る銀の糸が僕と蒼大の唇に繋がっている。
『僕もお風呂入ろっかな・・・。』
「嫌じゃないなら先に行ってるから後から入っておいで聖輝。」
僕の頬に軽くキスをすると残りのチョコは冷蔵庫にしまいそのままバスルームへと消えて行った。
どうしよう。
もう蒼大にはドキドキさせられてばかりで僕の心臓もつかな?
昔はこんなにドキドキしなかった様に思うんだけれどいつしか蒼大の事が大好きになり蒼大だけを思う様になった。
早く声が出たら良いのに書いたり口をパクパクだけで今の気持ちを伝えるとか嫌だなって少しだけ思う。
声が出るかもって少しだけ練習してみたけれどやっぱり息しか出てこなくて悲しい気持ちになってしまった。
蒼大は焦らなくて良いからって言ってくれて焦らない様にはしてるけれどやっぱり焦りがある。
たくさんたくさん蒼大と話がしたい。
声が出なくなって初めて気づいたこともたくさんあるよ。
気持ちを伝えるのはやっぱり目の前でちゃんと自分の口から伝えないとダメだという事。
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