暫くすると２人が戻って来たが拓人先輩は落ち込んでいる様子で淳平は俺を睨んでいた。 あの様子では淳平にお返しの話をしていないと思う。 「仲直りはしたか？」 隣にドカッと座った淳平に話しかけたが完全無視をされてしまった。 やっぱり説明をしてないんだ。 このままだと２人に良いとは思わないけれど秘密にして淳平を喜ばせたい気持ちも分かるから複雑すぎる。 俺だったら聖輝がこの状態だと絶対に話してしまう。 あの事故の時に聖輝が俺の前からいなくなると恐怖を感じてからは聖輝といる時間は大切なんだ。 だから言い争いで不機嫌にさせたりもするが俺なりに聖輝とすぐに仲直りをする様にしている。 「早く仲直りをしろよ。大切な人だったら特にな淳平。」 「分かってる。けど何も言わない。俺だけがあの人を好きみたいな気分になる。」 そう言うとパソコンに向かい淳平は資料作りを始めてしまった。 拓人先輩は気になるのか淳平をチラチラと見ている。 気になるならこんなに怒らせなければ良いのに拓人先輩も初めての経験が多いからどうしたらいいか戸惑ってるのは分かるけど人を好きになる気持ちは相手が女だからとか男だからとか関係ないと思う。 いつも仕事を完璧にこなすカッコイイ拓人先輩が淳平を相手にすると可愛らしく見える。 頑張って下さい拓人先輩。