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ちゅうしたぁ〜

僕はキッチンで焼き立てのアップルパイを切り分けていて隣では蒼大が飲み物を用意している。 なんだか蒼大に迷惑かけたからと拓人さんと淳平君が2人して休日に遊びに来てくれたんだ。 「匂いを嗅ぎつけたかの様に今から来ていいとか連絡して来るからビックリだよ。俺は疑いをかけられて大迷惑だったんだ。」 『許してあげなよ。謝りに来たんだよ。それに2人が仲良くして幸せなら良いんじゃないの?』 「そうだけど・・聖輝が嬉しそうに笑うから怒る気も無くなった。」 『機嫌治ったならこれ運んでよ。』 蒼大の頬にチュッとしたら僕の唇に軽くチュッとお返しをしてくれた。 相変わらず声は出ないけれど前より蒼大は優しくしてくれる。 「いぶちゃんとそうちゃんがチュウしたぁ〜!」 どうやら僕達がキスをしているのを大輝に見られていたらしくて叫びながらリビングに報告しに行ってしまった。 「大輝の前で不味いよな?」 『今はいいかもしれないけどね。理解できる歳になったら僕達の事をどんな目で見るのか怖いよ。』 「大地さんと美央さんの血を引いてるからきっと理解してくれると思うから不安になるなよ聖輝。」 きっと大輝なら理解してくれると信じているけれどそれは僕達の勝手な思い込みでもある。 どっちにしろ大輝に僕達の事で悩ましたりはしたくない。 大輝が悩んだり嫌な思いをするのであればその時は桜子さんにお任せすると話はしているのだ。

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