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本編 14

○貴臣のマンション・リビング 春M:(笑顔が可愛い。ヤバい…心臓が持ちそうにない…) すくっと立ち上がる春。 春:「じゃ、じゃあ、そういう事で…今日は此れでお暇するよ。」 貴臣:「送るよ。」 春:「送らなくていい。」 わざと素っ気ない顔をする春。 貴臣:「待って、忘れ物。」 春の手の平にピアスを落とす貴臣。 目を見開く春。 貴臣:「店に落ちてた。其のピアス、まだしててくれたんだな。」 春を愛しげに見つめ、耳を指でなぞる貴臣。 耳まで赤く染まる春。 貴臣:「次に会う時には、付けてきてくれよ。」 振り返らずに玄関のドアを閉める春。 ○貴臣のマンション前の通り(夜) 通りを歩いている春。 春M:(誰が付けるもんか!キスだって有り得ないし!!) 立ち止まり、唇を指でなぞる春。 春M:(キス…気持ち良かったな…) ハッと我に返る春。 春:「ナシナシ!今のナーシ!!」 振り払うように両手を顔の前でパタパタさせ、足早にその場を後にする春。

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