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本編 24

○店の前の通り(夜) 貴臣:「春!待てよ!」 春の腕をぐいっと引き、振り向かせる貴臣。俯いている春。 貴臣:「あの男の勘違いだよな?」 拳をぎゅっと握り締め、顔を上げる春。 春:「勘違いなんかじゃない。優ってのは、売り専時代の源氏名だよ。輝一が店の店長で、俺はボーイだった。」 信じられない面持ちで春を見つめる貴臣。 貴臣:「意味分かって言ってんのか?」 春:「勿論分かってるさ。オブラートに包まず、はっきり聞けば良いだろ?見知らぬ男達に身体を開いていたのかって。答えはイエスだ。」 涙を必死で堪え、平静を装い貴臣をじっと見据える春。 怒りの表情が露わになる貴臣。 貴臣:「お前は薄汚ない男達に金を貰って抱かれたのか!!」 貴臣の怒号が響く。 絶望に苛まれる春。 春M:(輝一…やっぱり無理みたいだ…) 春:「貴臣だって奴等と同じだろ?セックスしていなくても金で俺を買った事に変わりは無いじゃないか。」

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