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本編 32
○通りを並んで歩いている二人 (昼下がり)
浮かない表情の春。
春:「あのさ…ピアス、ごめんな。」
貴臣:「ああ、アレか。」
立ち止まり、ポケットからピアスを取り出す貴臣。
驚きの表情を浮かべる春。
春の耳にピアスを付け、真顔になる貴臣。
貴臣:「片割れは寂しいからさ…二度と手放さないって誓って。俺の事もな…」
言い終えると、顔を真っ赤にして先を歩く貴臣。
貴臣の後ろ姿を見つめながら、嬉し涙を流す春。
春M:(全てを乗り越えられた訳じゃない。辛い過去を忘れ切る事は出来ないかも知れない。)
貴臣:「春!」
振り向いて照れ笑いを浮かべ、手を差し伸べる貴臣。
涙を拭い、微笑みながら彼の手を取る春。
春:「さっきの…プロポーズみたいだったな。」
貴臣:「正真正銘のプロポーズだよ。で、返事は?」
春:「んー。保留…?」
貴臣:「はぁ?!」
春M:(其れでも、前を向いて歩いて行こう。愛する片割れと共に…)
笑顔で歩いて行く二人。
〜end〜
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