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和音「兄ちゃん……どうしたの?」 一哉「どうしてるかと思って。上がっていい?」  和音は動かない。 和音「母さんは知ってる?」 一哉「言ってない。弟の部屋に来るのに、許可を取る必要なんかないだろう?」 和音「……」 一哉「アイスがあるんだ」  一哉が袋を持ち上げてがさがさ揺らす。 一哉「溶けるから、これだけでも受け取ってほしい」  渡された袋を覗く和音。  アイスが二個入っている。和音が好きなアイスと一哉が好きなアイス。  複雑そうな表情をした和音は、諦めたみたいに息を吐いた。

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