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03
○和音の部屋。
空になったカップアイスの容器が、小さなテーブルの上にある。
そのテーブルを挟んで、向かい合って座っている和音と一哉。
一哉「和音」
和音は静かに首を傾げる。人形めいた無表情。
一哉「夏休みの間、ここで勉強してもいい?」
和音は少し目を見開く。
和音「だめだよ」
一哉「どうして?」
不思議そうな顔の一哉。
和音は呆れたような顔をする。
和音「こっちが聞きたいよ。俺がなんで一人暮らしすることになったかわかってる? 兄ちゃんに影響があったらまずいからだろう」
一哉は、なんだそんなことか、と言わんばかりの顔で首を傾げる。
一哉「大丈夫だよ」
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