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○別の日。和音の部屋。
小さなテーブルに麦茶の入ったコップがあって、その前に和音の母親が座っている。
母親が部屋を見回す。
母親は、冷たい印象でにこりともしない。
母親「綺麗にしてるのね」
和音は見事なポーカーフェイス。
母親「――ごめんね、和音。追い出すようなことして」
意外そうな顔をして、和音が少し力を抜く。表情も柔らかくなる。
和音「いいよ、わかってる。兄ちゃんは受験生だし、俺たちとは血がつながってないし、俺が出るのが最善だった」
母親の表情は変わらない。
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