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 一哉の足下で、一哉に背を向ける形で座ったまま、和音が口を開く。 和音「兄ちゃんも一人暮らししたい?」 一哉「いや」  和音は怪訝な表情になる。 和音「……? なんでここに来るの?」  一哉が和音の髪に指を絡めるけど、すぐにすとんと外れてしまう。  一哉は優しい顔をしている。 一哉「和音に会いたいから」  和音の胸がどきっとした。

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