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本文26
麻と箱根は呆然と立ち尽くしている。
見兼ねた雷雨がふたりのそばへと行き、廊下に出て話し出す。
雷雨「富橋君がラジオで話してくれて、その後、色んな人が綿とのエピソードをSNSで発信してくれたでしょ?」
麻 「うん、まぁ。俺らの先輩もツイートしてくれたし」
○ツイート内容
『神藤綿君がこないだ後輩の漫才観にきてくれて、楽屋でたこ焼き食べてった。アイドルやのに少しも飾ったところがなくて、ごちそうさまでしたって頭さげてった。めっちゃええ子や』
雷雨「(苦笑して)あいつ、そういうの苦手で」
麻 「え?」
雷雨「実は努力家なんだとか、本当は礼儀正しい子なんだとか、そういう裏の顔を知られるほうが嫌みたい」
箱根「せやけど、性格悪いって言われんのも困るんちゃう?」
雷雨「それもそうなんだけどね。でも俺としては助かった。ありがとう」
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