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夜咲の言葉で撮影現場での態度に合点がいったのと同時に、誤解だとおろおろ戸惑う朝霧。
朝霧「違う、全然違う! 俺はすぐにでも白とヤりたいっつーかヤル気は満々というか」
夜咲「じゃあなんでいっつもキスだけで終わりなの?」
焦る朝霧の前で、今にも泣き出しそうな顔の夜咲。ソファーの上で横座りで向かい合わせ。
言葉を探して沈黙するも、これ以上夜咲に嘘がつけず、なにより黙っていることが傷つけることになると気づき、俯いたまま口を開く朝霧。
朝霧「カッコ悪いとこ見せたくなくて」
夜咲「カッコ悪いってなにが」
朝霧「……童貞なんだ、俺」
夜咲「……え?」
夜咲「どうてい、って、なに?」
朝霧「え、いや、その、経験がないっていうこと」
思わず顔を上げ、余裕がなく真っ正直に説明する朝霧と、呆けた表情の夜咲。
つねにフェロモンとともにあり、エロ売りの朝霧と「童貞」という言葉が結びつかず、ひたすら朝霧を見つめたまま。
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