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優しいキス

優しく右頬を包み込まれ、頬骨の上を親指の腹が柔くなぞる。そこに唇が当てられた後、首筋、項……と、優しく指先が滑っていく。 それだけで、身体の内側から快感が引き出され、ゾクッと粟立つ。 「……可愛い」 熱っぽい瞳が、僕を捕らえる。 握られた手の指間に、ミキさんの指が入り込み……合わせた掌の隙間に、湿気が籠もる。 しっとりとした肌。 甘く作り変えられていく空気。 色気を帯びる瞳…… 「………っ、」 その瞳が柔く閉じられ、項に掛けられた指に力が籠められ、グイッと持ち上げられる。 ……距離を詰める、唇。 「ん、……っ」 柔く唇に触れ、離れる間もなく今度は強く押し付けられる。 唇の形が崩れる程に── 熱くて。柔らかくて。 ミキさんの息遣いから、微かなコーヒーの香りと、彼自身の匂いが入り混じり……直ぐに唇が割られ、熱く濡れそぼつ舌が入ってくる。 「……んぅ……、」 初めての経験。感触。 恥ずかしくて……擽ったくて…… 触れられた所全てが……火傷しそうに熱い…… 優しく押し倒される。 ミキさんの手が、制服のボタンに掛かり……ひとつひとつ、丁寧に外されていく…… 「……」 ホントに僕……するんだ…… この人と……セックス…… 妙な緊張感と、高揚感。 掌がじんと痺れて、ピリピリする。 浅い呼吸を何度も繰り返しながら、ぼんやりと見上げれば、視線の合ったミキさんが優しく微笑む。 「……まだ、緊張してる?」 「……え……」 「痛い事は、しないから……」 大空に似た……笑顔。 優しい、声。 「うん……」 その言葉通り、ミキさんは僕に、痛い事はしなかった。 首筋、鎖骨、開けた胸元…… 啄むようにキスを落とされると、波紋のように広がる、甘い痺れ。 「……っ、は……ぁあ……」 我慢できなくて声が漏れれば、徐にミキさんの手が僕の二の腕を摑む。

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