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初体験
それが根元まで到達すれば、ナカで指が蠢き……ゆっくりと優しく解され、粘膜を押し拡げられていく。
……ヘンな、感じ……
前を触られた時とは違う、違和感。
不安なまま樹さんを見れば、視線に気付いた彼がベットに手を付き、緊張を解すかのように、そっと僕にキスを落とす。
「……そろそろ、挿れるよ」
何度か抽送を繰り返した後、ゆっくりと引き抜かれ……指よりもずっと太いモノが押し当てられる。
ズズ、……
強い圧迫感。
ナカに入る度に、大空に似た呻き声が耳を擽り……僕の熱情を掻き立てる。
「………は……、ンぅ、っ!」
樹さんのモノを受け入れるには、まだ狭くて……
正直、入らないんじゃないかと思った。
何とか力を抜こうにも、痛くて……
どうしても、身構えちゃって……
「……もしかして、初めて……?」
「ン、ぅ………は、はぃ……」
頬が酷く熱くて……それを逃すように息を吐く。
怖ず怖ずと樹さんの背中に腕を回せば、安心させるかのように優しく抱き抱えられた。
重なる肌。
心地良い、温もり──
「………」
こんな風に大空も、佐藤さんを抱いたんだろうか……
感じたんだろうか……
ズキン、と胸の奥が痛む。
「………アメくん」
「、っ……ゃだ、……」
縋るように樹さんを見つめれば、余裕の無くなった双眸が、僕を間近に捕らえる。
「実雨 ……って、呼んで……下さい……」
「………わかった。実雨。……痛くない?」
大空に似た声が、僕の名前を呼んでくれる。
──それだけで、気持ちが勝手に昂ぶり……
「……はい」
薄く瞼を閉じれば、この温もり全てが、大空へとすり替わっていく気がした……
「……は、……実雨。……はぁ、実雨………可愛、すぎ……っん、……はぁ…っ!」
柔らかなベッドに身体が沈み、何度も何度も上下に揺さぶられる。
声に導かれて、瞼を薄く持ち上げれば、涙で滲んだ向こう側に、大空に似た顔がぼんやりと映る。
その奥に見えた天井が、青空のプリントで……
わたあめのような白い雲が、何度も何度も揺れて見えた。
「──はぁ……実雨……、イくよ……」
「……ん、………」
「一緒に…… 、」
ギュッと目を瞑り、樹さんの中にある大空の面影を必死で追いかける。
──だけど。
どんなに追い掛けても……手を伸ばしても……
そこに、大空は……いない──
背中に回した手に、力を籠める。
「は、……は……っ、……あぁ!」
「……ぅ、」
ギシギシとベッドが小さな音を立て、早い律動の後……最奥をズンッ、と強く突かれる。
ビクンビクン、……
樹さんのモノがナカで何度も脈動し、お腹の奥が、熱く広がっていくのを感じた……
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