22 / 112

初体験

それが根元まで到達すれば、ナカで指が蠢き……ゆっくりと優しく解され、粘膜を押し拡げられていく。 ……ヘンな、感じ…… 前を触られた時とは違う、違和感。 不安なまま樹さんを見れば、視線に気付いた彼がベットに手を付き、緊張を解すかのように、そっと僕にキスを落とす。 「……そろそろ、挿れるよ」 何度か抽送を繰り返した後、ゆっくりと引き抜かれ……指よりもずっと太いモノが押し当てられる。 ズズ、…… 強い圧迫感。 ナカに入る度に、大空に似た呻き声が耳を擽り……僕の熱情を掻き立てる。 「………は……、ンぅ、っ!」 樹さんのモノを受け入れるには、まだ狭くて…… 正直、入らないんじゃないかと思った。 何とか力を抜こうにも、痛くて…… どうしても、身構えちゃって…… 「……もしかして、初めて……?」 「ン、ぅ………は、はぃ……」 頬が酷く熱くて……それを逃すように息を吐く。 怖ず怖ずと樹さんの背中に腕を回せば、安心させるかのように優しく抱き抱えられた。 重なる肌。 心地良い、温もり── 「………」 こんな風に大空も、佐藤さんを抱いたんだろうか…… 感じたんだろうか…… ズキン、と胸の奥が痛む。 「………アメくん」 「、っ……ゃだ、……」 縋るように樹さんを見つめれば、余裕の無くなった双眸が、僕を間近に捕らえる。 「実雨(みう)……って、呼んで……下さい……」 「………わかった。実雨。……痛くない?」 大空に似た声が、僕の名前を呼んでくれる。 ──それだけで、気持ちが勝手に昂ぶり…… 「……はい」 薄く瞼を閉じれば、この温もり全てが、大空へとすり替わっていく気がした…… 「……は、……実雨。……はぁ、実雨………可愛、すぎ……っん、……はぁ…っ!」 柔らかなベッドに身体が沈み、何度も何度も上下に揺さぶられる。 声に導かれて、瞼を薄く持ち上げれば、涙で滲んだ向こう側に、大空に似た顔がぼんやりと映る。 その奥に見えた天井が、青空のプリントで…… わたあめのような白い雲が、何度も何度も揺れて見えた。 「──はぁ……実雨……、イくよ……」 「……ん、………」 「一緒に…… 、」 ギュッと目を瞑り、樹さんの中にある大空の面影を必死で追いかける。 ──だけど。 どんなに追い掛けても……手を伸ばしても…… そこに、大空は……いない── 背中に回した手に、力を籠める。 「は、……は……っ、……あぁ!」 「……ぅ、」 ギシギシとベッドが小さな音を立て、早い律動の後……最奥をズンッ、と強く突かれる。 ビクンビクン、…… 樹さんのモノがナカで何度も脈動し、お腹の奥が、熱く広がっていくのを感じた……

ともだちにシェアしよう!