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恥ずかしい
ぶるっ、と身体が震え、腹奥から快感が突き上がると全てが吐き出され──
背中が弓形に仰け反った後、全身から力が抜け落ちる。
……はぁ、はぁ、はぁ……
ぼんやりとした意識の中………樹さんの口内に放ってしまった罪悪感が、じわじわと広がっていく。
ゆっくりと上体を起こした樹さんが、自身の腰紐を解き、肩からするりと浴衣を滑り落とす。
露わになる肌──一緒に温泉に入った時、目にしていた筈なのに……
細身ながら、引き締まった身体。しっかりとついた筋肉。その大人の男らしい体つきと色気に……ゾクゾクと身体が熱く震える。
トロッ……
手のひらに、口内に含んだものを垂らし、それを僕の後孔に塗り付ける。
垂直に立てた指。それが、つぷ……と恥肉を割り開きながら押し入ってくる。
「………痛く、ない……?」
「ん……」
ゆっくりと、丁寧に拡張しながら、根元まで押し進んでいく。その指先がナカで蠢く度、腹奥に感じる、柔らかな刺激。
「………ひぁ、っ……!」
「ここ、だね──」
強い刺激に思わず声が漏れれば、一本から二本……と指が増え、与えられる快感と圧迫感に、身体がゾクゾクと粟立つ。
「──ごめん。あんまり……余裕、ないかも………」
その言葉通り、樹さんの息が乱れ、切羽詰まった表情に変わる。
熱情を孕んだ瞳に捕らえられれば……ナカが疼き、指に吸い付くように入り口がきゅぅぅっと締まる。
「………もう、実雨に挿れたい」
引き抜かれたそこに、熱く濡れた樹さんの先端が宛がわれる。
片手で掬い上げるようにして抱き締められれば、間近に迫った形の良い瞳が、僕を捕らえて離さない。
「……挿れるね」
「ん、……」
ズズズ……
指とは比較にならない程の太いモノが、半ば強引に奥までめり込まれていく。
その度に、ビリビリと肌の上を快感が走り抜ける。
「実雨」
きゅっと閉じた瞳を薄く開ければ、色気を含んだ表情の樹さんが、甘く微笑む。
「エッチな顔、してる」
「……ゃだ、恥ずかしい……」
空いた手で僕の髪を優しく梳き、苦しさと羞恥で赤くなる僕に、軽く唇を重ねる。
「凄く、色っぽい」
「──ん、」
「好きだよ、実雨……」
吐息混じりに囁きながら、熱っぽい瞳を向け、愛でるように僕の頬や髪に触れる。
そして小さなリップ音を立て、鼻先や瞼、額に何度もキスを落とす。
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