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第12話 懇願

 大谷は今まで我慢していたとでもいうような勢いで、光の身体にむしゃぶりついてきた。  あっという間に服を全部脱がされ、薄っぺらい胸板を晒し、恥ずかしがる暇も与えられずに両方の突起を摘まんだり、舐めしゃぶられた。 「あっ待って! 俺、乳首なんて自分じゃ触らないんですけどっ」 「気持ちよくないですか? 三澄さんの綺麗なおっぱい、可愛がらせてくださいよ」  大谷の口からそんないやらしい言葉が飛び出してくるなんて、それだけでも光は頭が沸騰しそうになった。  しかも大谷は乳首を含んだまま喋るので、唇や舌が当たってむずがゆく、下半身まで電気がびりびりと走るような妙な感覚がする。 「お、おれ女の子じゃないのにそんなっ……!あっ! なんかちくび変な感じするから、も、吸わないでくださ……あ、だからって舐めないで! ひああっ!」  光はわけがわからなくなって叫んだ。  だが大谷はそんな光を見ても楽しそうに笑うだけで、乳首への愛撫は止めてくれない。 「三澄さんは男なのに乳首がひどく感じるんですね、はあ、可愛い」 「きもち、くないっ! っていうか、なんか変なんだってばぁ……!!」  普段は敬語を使っているのに、今の光はそんなものを使う余裕もなかった。  大谷はとろけそうな甘い目つきで光を見つめ、しつこく愛撫を続ける。 「こっちも可愛がってあげますね、もうすごくカタくなってますよ?」 「あっ……!」  大谷の手が 、むき出しの光の性器に触れた。既に腹に付きそうなくらい勃ちあがっており、尖端からトロトロと蜜を零している。 「キスと胸の愛撫だけでこんなになっちゃったんですか? 三澄さんは本当に可愛いです」 「ま、まって!まって、大谷さん、まって……」  大谷は身体を起こして、ゆっくりとそこに顔を近づけて行く。  これから何をされるのかは、経験のない光にだって分かる。 「待ちません」 「ああ!」  大谷は、ためらうことなく光の性器を口に入れてじゅるっと蜜を啜った。  しかし何を思ったのか、その後顔を離して光に言った。 「三澄さん、気持ちいいのは分かりますが、もう少しだけ声を抑えてください。お隣の人に聴こえてしまいますよ、同じ病院の人だったら気まずいでしょう?」 「だ、だって、おーたにさんが、や、やめてくれない、からっ」 「じゃあ、やめてもいいんですか?」 「!」  正直いうと、セックス初心者の自分に、大谷の勢いは荷が重すぎる。  だけどここで頷いてしまったら、もう二度とこんなチャンスは来ないかもしれない。  初めてなことが知られたらなおさら、面倒くさいと思われるかもしれない。  光は涙をこぼし、はくはくと息を吐きながら大谷に懇願した。 「や、やめないで……おれとせっくす、してください……」  大谷は光の一挙一動を見逃さないというふうにじっと見つめていたが、そのときばかりは一瞬ばっと上を向いた。思わず鼻血が出そうだったからだ。 「あまり煽らないでください! 死ぬかと思った……」 「?」  そして再び光の性器に顔を近づけると、逃げられないようにがっしりと光の太ももを抱え込み、じゅぽじゅぽと汚い水音を立てながら一心不乱に舐めしゃぶった。 「やあっ!あああっ!!んんっ、んんーっ!」  光は思わず叫んでしまったが、いましがた注意されたことを思い出して自分の両手で口を抑えこんだ。 指の間から声が洩れてしまうが、それはもう防ぎようがない。  もう出そうなことを大谷に知らせようとして身体をよじったが、大谷はすっぽんのように食らいついて離れないので、光はそのまま大谷の口内に勢いよく射精した。

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