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第14話 名前を呼んで
「三澄さん……くっ!!」
「あっ待っ……ああーっ!!」
慣らさなくてすむようにしたのは自分だけど、大谷がコンドームさえ着けず、いきなりズブブブと一気に根本まで挿入してきたことに光は心底驚いた。
思わず制止の声を掛けたが、そんなものは無駄だった。
(大谷さんの本物ちんこ、すごく熱い! それに太くて、硬くて……挿れられただけで前立腺も擦られる……やばい!)
「どれだけ俺を煽れば気が済むんだ、あなたは!! 初めてみたいに見えたから最初は優しくしようと思ってたのに! いったい今まで何回シてきたんだよ!」
(えっ、アナニーの回数聞かれてる!? なんでっ!?)
「そ、んなの覚えてないっ……!」
「くそッ! 全部俺ので塗り替えてやる!!」
大谷は怒りで目の前が真っ赤になるのを感じ、その激情を光に思い切りぶつけ始めた。
光の膝裏を持って固定し、思うままにガンガン腰を振りまくる。
「えっ?――ああッ!ちょ、待って、はげし、激しぃっ!! 待ってえぇぇ……!!」
大谷の肉棒は、無機質で硬いだけのディルドとは比べものにならなかった。
まず自分で動くことができないし、気持ちよくて意識が飛びそうなのにまったく腰の動きを止めてくれない。しかもディルドでも入ったことのないところまで挿入っていた。
――光の知らない、奥の奥まで。
パンッパンッと激しく肉のぶつかり合う音が部屋中に響いていた。
「はあっはあっ!! 三澄さんっ! 三澄さん……光っ!!」
(えっ!? 大谷さん今、俺の下の名前よんだ?)
両親以外に初めて名前で呼ばれて、光は嬉しくて胸がきゅうんとした。
それは下半身にも直結していたらしい。
「くっ、光って呼んだらすっごい締まりましたよ、今! 名前で呼ばれるのが好きなんですかっ!?」
「あっ! 好き! もっとおれのなまえ、呼んでぇっ!」
「あああもう……! 仕事中にも呼んでやりたいくらいですよ!!」
(なにそれ……仕事中も俺のコト三澄さんじゃなくて、光って呼びたいってこと?)
「そんなの、うれしいっ……!!ああっ!!あんっ!んあぁっ! そこ、そこイイっ!」
「クソッ! あなたをそんなふうにしたやつに嫉妬する!……光、ひかるっ!!」
(え、嫉妬? ディルドに? なんだそれ、大谷さんかわいい)
「おーたにさんのほうがきもちいぃ……!」
「ちょ、なんだそれ比べるなよ!! 嬉しいけど……ああっクソッ腹立つ!!」
「んあぁっ!? もぉだめ、あん、きもちいっ! イクッイク~ッ!!」
光は初めて自分の精液が空を飛び散るのを見た。今まで自分の手かティッシュの中でしか散らしたことがなかったからだ。
それは自分の顔までかかり、同時に胸や腹まで汚した。
「はあっ、はあっ……」
「ふはっ、自分のザーメンまみれになってるの、エロすぎだろ……!」
大谷は光が達する瞬間は止まってガン見していたが、律動を再開した。
「あっ!? ちょっと待っ、まだイッたばっかだからぁっ!! うごかないで!」
「俺はまだイッてない! 何度もシてるならこのくらい余裕だろ! ほら、また勃ってる!」
「やあっ、うそぉっ! しんじゃうってぇ……! ああ~っ!」
初心者の光に、余裕なんてものがあるはずがない。
セックスとオナニーは違うのに、大谷は何を言っているのだろうか。
そう言おうとしても、光の口から出るのは喘ぎ声だけだった。
もう近所迷惑を気にしている余裕すらない。
余裕が無いのは大谷も同様で、途中からは敬語を使わなくなっていた。
「はぁっはあっナカに出すからな! 俺を受け止めてくれ、光!!」
「あんっあっあぁーッ!! おなかの中、ぁついぃ……っ」
「くっ、エロい……!」
光が無意識にエロい仕草や言葉を連発するせいで、相当酒を呑んでいたのにも関わらず、大谷の肉棒は何度でも回復した。
光はしつこいくらい奥の肉壁と前立腺を擦られ、何回も中に出され、夜が明ける頃にはもう意識もなく、声も枯れ果てていた。
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