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第2話 ハチミツの日②※
シャワーの音がザーザーと流れ、タァリの口から漏れるすべての音をかき消す。
「あぁんっ!ゃんっ、食べちゃだめっ」
お湯の温もりで温まった壁に背中をつけたタァリは、床に跪き自分の胸を舐め、ゆっくり頭をもたげた性器に舌を這わせ始めたイリヤの髪を掴んだ。
「今日のお前はいつもよりずっと甘いな」
先端を丁寧に舐め鈴口にイリヤが舌の先を入れるとタァリの脚から力が抜ける。
大人になりきれていない細い腰をしっかりと腕で支えると、イリヤは目の前で美味しそうに蜜を垂らし始めたソレを咥えゆっくりと頭を動かした。
段々とハチミツ甘さの中にタァリから漏れ出す苦味が混ざりだす。
甘さより苦味が強くなってきた頃、イリヤの腕の中で赤く熟れだしたタァリが甘いあまい息を漏らした。
「ゃんーーー!ぁぁんっ、イリヤさんっもうでちゃうっ!!」
イリヤの口の中に絶頂に達したタァリは、シャワーの熱と快感によって美味しそうに色づいていた。
ぐったりと倒れ込んできた軽い体を支えるとイリヤは床に座り、タァリを自分の膝の上に跨がらせる。
「んんっ!ゃん、待ってっ指速いっ」
「タァリっ」
一本二本とタァリの蜜蕾の中を行き来する指の数を増やしていくと、熱い息を漏らし膝の上の少年が可愛らしい啼き声を出し始めた。
「イリヤさん、チューしよぉ」
早く中に入りたくて口づけをすることさえ忘れていたイリヤはタァリの可愛いお願いを受け入れた。
小さな口に舌を入れ、未だにハチミツの味がする口内をグチュグチュと味わうと、タァリの舌が動きに合わせて踊りだす。
この行為だけでイケそうで、今日は長く続かなそうだとイリヤは思った。
「タァリ、自分で挿入れてみろ」
「んっ、無理だよぉ」
「いつもみたいに腰を落とせばいいんだ。できるだろ?」
「ぁあんんっ、おっきすぎて無理ぃ!」
腰を浮かせ、ゆっくりとイリヤを迎え入れ始めたタァリは、体内にどんどんと進む硬くて太いソレの熱さに腰を震わせた。
もっと奥へ奥へとでも言うかのように、イリヤを咥えた蜜蕾が蠢く。
もどかしいタァリの動きに待ちきれなくて、イリヤは腰を突き上げた。
「ーーーー!」
「っ!タァリ、締め付け過ぎだ、力抜けっ」
「待って、まだダメっ!出ちゃったの、今動かないで!」
二人の腹にタァリが放った白い蜜が垂れても、どんなりタァリが待ってと言っても、イリヤは自分の腰を止められる気がしなかった。
ハチミツをまとった体はイリヤが端から端まで丁寧に舐めた。
試作を作ろうとしていたチョコレートハニーガナッシュのように、甘く絡まるタァリの体内はイリヤの動きに合わせて戦慄き、二人を快感の絶頂へと誘い込んでいる。
「くっ、タァリ、中に出すぞ」
「んっ、んっーー!やっ、ぁあーーー!」
イリヤが熱を中に放つと、タァリの体が震えた。ダラダラとタァリの先端から流れる蜜は透明でサラサラと流れていく。
「タァリ…?」
シャワーの水力を変え、小さな体を抱えてイリヤは立ち上がった。
サクランボのように色づいた唇からは規則正しい寝息が聞こえる。
「寝ちゃったのか……ったく、閉店作業もしてないのに……」
悪態をついてもイリヤは優しい表情を浮かべ、体を清めた。
「おい、起きたら働いてもらうぞ」
腕の中で眠るタァリは幸せそうに微笑んでいる。甘くて美味しい夢でも見ているのだろう。
ため息をついたイリヤの心も幸せでいっぱいになった。
ハチミツの日(終)
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