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日置くんはイケている19

「満足?」 「はぁっ……んっ………」 せわしなく小さな息を吐き、コクコクと頷く。 ぐったりとしながらも、その手は愛おしそうにオレの太ももを行き来していた。 オレの足の何がそんなにいいんだろうなぁ……。 未だにわからない。 けどこんなに幸せそうにされれば嬉しくないわけがない。 汗ばんだ体をゆっくりと撫でるとプルリと震えて。 ……やっぱり……可愛い。 エッチって一緒に気持ちよくなって一体感を感じて、そういうのがいいって思ってたのに、日置が気持ちよくなってるのを見てるだけで、オレまで嬉しくなってくるってなんか不思議だ。 なんだろう、この感覚。 なんか、最近感じた……。 なんだっけ……? あ、いや、いや、いや、いや、いや。 確かに国分くんに揚げ物を食べさせ、それを眺めて幸せそうにしてる桜ちゃん達とちょっと似てる気もするけど、あんなピュアな気持ちとコレを一緒にしちゃダメだ。 うう、桜ちゃん、清司さん……ごめん。 気まずさを誤魔化すように、日置をギュッと抱いた。 汗ばんで熱を発する体からトクトクと早い心音が伝わってくる。 綺麗な身体だ。 そこまで鍛えているわけでもなさそうだけど、満遍なく筋肉がついてほどよく逞しい。 特にこの腰骨の辺りの筋肉の付きかたが羨ましいんだよな。 足だってまるで彫刻みたいで、日置の足の方がよっぽど綺麗だと思う。 腕だって長いし自然な筋肉がついている。 頼り甲斐を感じる広い胸。そこまで極端に体格差は無いはずなのに、抱きしめられると包まれてるみたいだって思う事がある。 はぁ……カッコよくてムカつく。 こうやって日置と比べてしまうと、オレのどこがいいのか本当に、微塵も、全く、さっぱり、わからなくなるからな。 日置の頬をなで、チュッとキスをした。 だらしない笑顔を見せる。オレのことが大好きなんだってわかる笑顔。 だけど、やっぱりなんで好きなのかわからない。 そして直接聞いても納得いかない。 はぁ……オレって結構めんど臭いヤツだったんだな。 日置は嬉しそうな顔でオレの顔や肩にチュチュと軽いキスを散らしている。 立て続けに三発も抜いたからその動きは緩慢で、心地いい疲れに身をゆだねているようだった。 久しぶりに日置とゆっくり会えたんだし、このままのんびりまったりするのもいいかもな、なんて思っていたら、日置がこちらを伺い始めた。 「ラブちゃん……もしかして眠い?」 「いや、眠くはないよ。どうして?」 「なんだか…その……もう終わり……みたいな雰囲気が……」 雰囲気が……なんて言いながら、視線が思いっきりオレのソコに……。 「ん、久々だし、日置は三発も抜いたし、まったりするのもいいかなって」 オレの言葉に日置が飛び起きた。 「えっっっ!? ……いや、『久々だし』の意味がわからない!ラブちゃん、言い付け守って十日も我慢したんだよ?豪華ディナーが食べられると思って断食したのに、オードブルだけで終わりって言われてるのと同じだ。それがどれだけ残酷なことか……!」 「え……十日断食していきなり豪華ディナーなんか食ったら胃に悪いだろ」 「………」 日置がフリーズした。 そしてくるりと視線を巡らせる。 「ご…ごもっとも……。いや、違う!それは物の例えってヤツで、だからうちに来て撮影しただろ?アレがアペリティフで、今のがオードブルやサラダ、なら次はメインコースだよね?」 「アペリティフって何?腹減ってんのか?」 「アペリティフっていうのは食前酒のことで……いや、それは例えだからどうでもいいよ、何でこれでおしまいなの?」 「だから……その、お前『ヤる時は最後まで!』みたいな変な気合いがあるだろ?そうじゃなくて、こういう風にさ、ちょこっとだけのイチャエロを日常的にするのもいいんじゃないかって思って」 お…おおお…日置の目がぐぐぐと見開かれて……。 あ、手を握られた。 「ラブちゃんっっっ!!!非常に嬉しい提案で、俺は今猛烈に感動しています。けど、それは後日で!」 うっ…力説する日置の目の周りがポワンと赤くなって、涙が浮き出してきた。 形のいい眉をもどかしげに寄せ、オレの心の中にまで入り込もうとするかのような目で覗き込んでくる。 「今日は、ラブちゃんの言う通り『ヤる時は最後まで!』という気合に満ちてるので、何が何でもヤりたいです!」 切なげな表情なのに『監督、俺に最後までやらせてください!』みたいなスポ根のノリだな……。 ちょっと引いてしまったけど、そんなこと御構い無しに日置がぎゅうぎゅうと抱きついてくる。 「俺は全く気持ち良くならなくったっていいから……したい。その…一つになれば、ラブちゃんが俺のもので、俺もラブちゃんのものだって感じられて……胸がいっぱいになって、幸せで……。だから、ラブちゃんを一番近くで感じたいんだ」 まっすぐな視線とたどたどしい言葉が俺の胸にじわり染み込んでくる。 あ…これ……。 オレは日置の中に包まれながら、一つになって溶け合ってしまいたいって何度も感じてた。 多分それと似た感覚だよな。 「わかった。じゃあ、その気にさせろ。ただ見つめるだけとか、変にソワソワして笑わかすのとかナシだからな?」 ピタリと止まって何か考えていた日置がふっと目に力を込めた。 「……はっ、そうか!」 パッと表情が輝く。 ピロンピロンピロン!とレベルアップ音でも聞こえてきそうな顔だな……なんて思っていたら、いきなり片膝を抱え上げて仰向けにされ、大股開きの恥ずかしい状態で持ち上がった腰の下に日置の膝を差し込まれてしまった。 「え…ちょっと……!」 その内ももに日置がキスを散らし始める。 「ンァあ!!」 さらに舌でねっとりと舐めあげられて、思わず声が出てしまった。 「ラブちゃんの可愛い声……はぁ……『残したい日本の音風景100選』に推薦したい……」 「推薦って…んっっ……ドコにだよ!」 「環境省」 「ヤメロ……」 日置の舌は太ももをたどってオレの股間へ……。 舌先だけで遊ぶように先端をなぞられ、ピクピクとモノが跳ねてしまうのが恥ずかしい。 手で根元をさすり、ちょっとづつ大きくなっていくところを嬉しそうにじっくりと眺めながら、舌で先端を弾いている。 「……なに…してんだよ……」 「可愛いな…と思って」 「むっ…お前よりは小さいけど、普通のサイズだよ!」 恥ずかしさで無駄に怒ってしまう。 「え……可愛いってサイズの事じゃないけど、……ラ…ラブちゃん…平均値を算出できるくらい複数の男とサイズを比べた事……ある……の?」 「何泣きそうな声出してんだよ!風呂とかでなんとなくわかるだろ」 「そっか、そうだよね。背比べみたいにラブちゃんのコレとどっかの男のモノをぴったりくっつけて比べるという悪夢のような光景を想像してしまってた」 う……気持ち悪い想像するなよ……。 「あれ…?なんでちょっと萎えたの?」 「お前が変なこと言うからだろ」 日置がムードクラッシャーすぎる。 なのに当の本人はニコニコ顔だ。 「何笑ってんだよ」 「え…笑ってた?その…俺のと一緒にその……すり合わせる時にはすごく気持ち良さそうなのに、他の男で想像すると萎えるんだって思ったら……ふふっ嬉しくって」 「はっ…はぁっ?なんだよそれっ……」 日置が御構い無しにちょっと萎えたオレのモノの先をパクリと咥えた。 そして優しく吸う。 「ん……」 ちらっとオレの反応を見て、口に含んだままふふっと笑った。 その細かな振動がピリピリとした小さな快感に変わる。 優しく、だけど細かく素早い舌使い。 「こんなことどこで覚えてくるんだ……」 「どこって……ココで」 「ぁ………んんっ…」 ククっと深く咥え込まれ、思わず腰が跳ねた。

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