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壹※
煌々と灯りのついた部屋でベッドのスプリングの音が響く。
二人分の体重に悲鳴をあげるように、揺すられるたびにギシギシとなるのだった。
「…もう、やめっ……」
組引かれた黒髪の少年が絞り出した声は、かすれて聞き取りにくい。
その彼の白い首に噛みついていた金髪の少年が、顔をあげた。
黄味かかった緑色の瞳だ。
「透 」
低く艶のある声で黒髪の少年の名を呼んだ。
彼は、この間まで学ランを着ていた中学生だった。
「……気っ…がすんだろ? 暁 ぁ……」
と、透が苦し気に金髪の少年、暁に問うた。
「こんくらいで済むわけないだろ」
「もぉ、ムリ……」
透にのしかかっている暁が嫣然と笑んだ。
ずくりと腰にくる顔だった。
(子供 のくせに)
「透は何もしてないだろ? そのまんまマグロでいてくれていいから」
と、暁が透の耳朶を噛んでいく。
「いい加減に抜けよっ!」
「ダメ。おれ、達 ってねぇし」
「……おまえ…何度も中出ししたろうがっ!」
暁がクスリと笑う。
透の耳に息がかかって、背筋がゾワリとした。
「元気じゃん。まだ達けっだろ?」
と、暁に耳元で言われた。
透の乳首をいじっていた暁の手が、性器を握りこんだ。
長く細い指が絡みついてきた。
「くっう……」
透はとっさに声を噛んだのに息がもれた。
「なんだかんだ言っても好きだよなぁ」
と、暁はのどの奥で笑いながら、透の弱いところを確実に責めてきた。
(結局、こいつにとってオレは、
笑いながらセックスできる相手なんだ。
慣らされた体は抗うことすらしなくなった。
相手の情欲をかきたてるだけだって、
わかってるから。
新しい遊びを見つけてくれるように、切望する。
壊れた関係を以前のように修復するのはムリでも、偽ることはできる。
オレを自由にして。
だから、
早くオレに飽きて。
ねぇ、暁。
お願いだから)
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