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SS-4-4『温泉に行こう』

不安な気持ちを抱えたままで、仕事なんか捗る訳もなく…残業確定…。 こんな日こそ早く帰って先輩に会いたいのに…。 井上情報によると先輩、今日は本社から直帰するみたいでここに来る事は無いだろう。 とりあえず残業してから帰る事をメールで先輩に伝えた。 そして外部サーベイ、監査資料、委託関連資料…とやっつけていく。 「んー、この資料…何かおかしいなぁ…あれ、ページが抜けてる?」 あらら、紙でもらった資料の一部が無い。 柿崎さんはもう帰っちゃってるし…どうしよう…。 …明日にするか?…悩む…が、閃いた。 「田中さん!まだいるかな」 多分田中さんもこの資料持ってるはず。 そして、まだ社内に残ってるはず。 「もしもし、田中さん」 内線で呼べばすぐに応えてくれた。 「あぁ、志摩ちゃん。アレね、持ってるよ」 良かった。 「すぐに取りに行きます」 一方的にまくしたて、三階の田中さんの所へ。 「ぐっ…!」 気持ちが先行してバシンと自動扉にぶつかる…まあ、いつものアレだけど。 「志摩ちゃん、頼むよ。壊さないでね」 「田中さんがいてくれてよかった!」 「わざわざ取りに来てくれたところに水を差すようだけど…メールで送ったのに」 …ガーン…。 僕は紙でもらったけど、フツーはメールだよね。 「はは、運動ですよ!ありがとうございます」 バンっと再び扉にぶつかってから僕は事務机に戻った。 携帯で先輩からの連絡を確かめたが…返信なし、しかも未読。 そんなにマメに携帯チェックする人じゃないしね、と思い田中さんからもらった資料に目を通す。 うん、コレ。 そのタイミングではらりと小さなメモが落ちた。 日付が書かれたそのメモには先輩の名前も。 『 ○月✕日〜 アメリカ ロサンゼルス 柴田 』 は?これはどういう事? アメリカの文字に僕は思考が停止してしまった。

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