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第1話
好きって言葉は、酷く曖昧だ。
ご飯が好き、猫が好き、仕事が好き、誰が好き。
これが人の名前になった途端、意味合いが変わってくるし重みも違ってくる。
猫が好きと同じ意味合いだとしても、人間は人の言葉を都合良く解釈するから、それを愛を含んだ好きと解釈する人もいるだろう。
そういう時もあるし、そうじゃない時もある。
なのになぜ、同じ好きという言葉を使うのだろう。
今までの自分は、平気で好きという言葉を使っていた。そう言えば皆んな喜んだからだ。自分が言われても、嫌な気分はしない。
だけど、あの人と会って始めて好きという言葉の重みを知った。
あの人への好きは、好きという言葉では足りないくらい好きだ。好きより強い感情がある事を、あの人と出会って知った。
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