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逢うのが怖くて避けていた村主の家。 逢いたいのに逢いたくない。相反する気持ち。 顔が見たい、声が聞きたい。 逢いたいよ……村主。 禁断症状に陥っていたら家に村主からの電話が入った。 教えてないのに何故知っているのだろうか。 不思議に思ったが、我慢の限界だった俺はそのまま村主の家に向かった。 「小学校の間ずっとお前が操を苛めていたんだな」 え? 「中学でもお前が指示を出していたと聞かされた」 何それ?知らない。 確かに俺は日野を苛めた。他の奴等にも手を出した。 だが、日野を苛めたのは短期間のみ。 その後は本当に何も関わっていないのに、何故全て俺のせいになっているのだろうか。 分からないが、村主が学校から聞いたと口にして漸く理解出来た。 多分学校側は全ての責任を俺に押し付けたんだ。 基本規則で生徒の名前は言えない。 その点俺は問題児。 名前を出しても何も支障がないと考えたのだろう。 だけどこれはあんまりだ。 悪いのは全て俺だが、加害者は他にも居る。 少しでも真実を伝えたくて、今迄の罪を全て話した。 だけど村主は何も信じてくれなかった。 今迄向けてくれていた全てを包み込む様な優しさが消えた。 声に態度に、殺意が篭った。 ああ、嫌われた。 そう悟った瞬間全てが崩れ去っていく音がした。 ガラガラガラガラ足元が壊れる。 立っている事が出来ない。 「……お願い…村主。信じて?」 絞り出す声。震えて上手く言えない。 「村主」 コチラを見ようともしない姿に目の前が真っ暗になった。 どうやって家に帰ってきたのか分からない。 気が付くと自分の部屋に居た。 机の引き出しを開け、手にするのは小さなお守り袋。 日野と仲良くなったばかりの頃お土産で貰った綺麗な石。大事に入れて保管していた。 あの時は楽しかったな。 どうしてこうなったんだろうな、俺。 何故あんなつまらない好奇心で傷付けてしまったのだろう。 俺がバカなせいで日野が死んでしまった。 村主にも嫌われた。 哀しくて情けなくて、もうどうして良いのか分からない。 「ごめんな、日野」 キュッお守り袋を握ると、泣きながら声に出した。

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