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第54話 ドキドキの朝②*
またあの快感がゾワゾワと湧き上がってきて、僕の性器も徐々に硬さを帯びていった。
「……んぅ……」
鼻から抜ける声を漏らし、悶える。
僕がしてあげなくちゃならないのに、森下くんの手の動きに敏感になり、自分の手がお留守になってしまう。
「店長の感じてる顔、本当に可愛いよ」
パンツの中に手を突っ込まれ、直に触れられる。
数時間前に射精したというのに、僕のそれはもう張り詰めていた。
「あぁ……っ」
「俺のも、触ってくれる?」
促され、僕も彼のパンツをずり下ろし、中のものを直に握った。
すごく、熱い。
自分の顔も、今手の中にあるものも。
されているリズムに合わせて、僕も同じように手を上下する。
恥ずかしい。
お互いのを触りあっている。朝、旅先で。
昨日の夜まで互いの裸を見たことさえなかったのに。
「あっ……あぁ……っ」
じゅっ、じゅっ、と二人分の卑猥な音がなる。
先端からは透明な液がぷくっと滲み出て、竿を伝ってシーツを汚していく。
眼鏡を外しておくべきだった。
目の前の森下くんが、赤い顔をして僕を優しく見下ろしている。
そんな慈愛に満ちた目に見つめられて、僕は正気でいられない。
「イきそう……?」
そう問われ、僕は涙目でコクコクと首を振る。
森下くんもきっと、限界は近い。
「一緒にイこっか」
手の動きを早められ、欲望の淵へ引き込まれていく。
津波のように押し寄せる快楽を、止めることはできなかった。
閃光のように、はじける瞬間。
「──あ……っ! あ……んん……っ」
ぱたぱたと、僕の腹へ白濁が散った。
結局僕の方が先にイッてしまったけれど、互いがちゃんと欲望を解放できたことに安堵した。
「……大丈夫?」
はぁはぁと口で呼吸する僕を、気遣ってくれる。
僕は改めて、森下くんとここに来れて良かったと思った。
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