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第11話
「郁、こっちに来いよ。」
「えっと・・・。」
コンサートが終わって夏樹さんが明樹兄と明久も連れて楽屋の隣の部屋で説明をしてくれた。
そして親父に改めて連絡をすると怒ってはいなかったが黙って街に来た事は反省しなさいと言われた。
それからΩだと隠していた事を謝られた。
「我慢の限界なんだけど郁。」
「ちょ・・・まっ、まって慧吾。」
「待てない。黙って俺に抱かれろ郁!」
だっ・・抱かれろって!
ベッドの足元の隅の方に座っていた僕を慧吾は強引に引っ張りベッドの真ん中まで連れてくるとそのまま押し倒された。
「優しくするから郁。」
「慧・・・ふうっ・・・ううっ・・・はぁ・・・。」
ねっとりと舌を絡めて息をするのも忘れる位に慧吾とのキスに夢中になっていた。
身体が熱くてお腹の辺りがゾワゾワってして来る。
「郁・・郁・・・好きだ。郁。」
耳元で囁かれる様に何度も名前を呼ばれて好きだと言われると身体中の力が抜けてしまう。
「す・・・き、慧吾が好き・・・。」
力なく慧吾の首に腕を回しながら僕は慧吾の頬に触れるだけのキスをした。
慧吾、大好きだよ。
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