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第3話

 恥ずかしがっていた割に、悠のそれは、これからのことを期待するように固さを持っていた。  ふうん、と微笑むと、悠は手で隠そうとするから、その手を掴んで離させる。檜山さん、と震える声で名を呼んでいたが、構わずにそれに触れた。 「……っ」  きゅ、と握っただけで、悠は両手で顔を覆ってしまった。それでも抵抗はされないから、彼の言うところの『勇気』はまだ有るんだろう。ゆるゆると手を動かし扱いてやると、息を詰まらせ声を殺しながら足を閉じようとするから、体を割り込ませてそれを防ぐ。  少しずつリズムを早めて擦ってやると、気持ちいいんだろう、固くなって、先端から体液を滲ませて悦ぶ。相変わらず「んん」とか「う」とか、堪えるような声しか出さないけど、体の方はとびきり正直だ。 「ローション、使おうか」  どうせ挿れる時には使うし、初体験をとびきり気持ちよくしてやりたい。ベッドサイドに用意してあった物を使ってやろう。  一度手に垂らして温めてから、悠のそれに塗り込むようにすると、「あ、あ」と悠が悶えて腰を揺らす。逃げようとするのを笑って押さえつけて、くちゅくちゅと手で撫でると、気持ちいいのか悠は仰け反って震えた。 「ま、って、くださ、い、だめ、だめです、それ、だめ」 「悠、ダメとか嫌とかはねえ、こういう時はもっとって意味なんだよ」 「や、だ、……っあ、あ、まって、とめ、……っあ、あ、あっ」  ヌルつく手でリズミカルに、強弱をつけて擦り上げると、悠がまたやめて欲しいとでも言うように手を伸ばしてくる。でもその手は力無く自分の太腿を掴んで、堪えるように震えている。やっぱり体は素直でエッチなんだなあ、と感心しながら、容赦無く扱いてやった。 「ひやま、さ、……っ、も、だめ、だめです、だめです、からぁ……っ」  抵抗ではないものの、足がもがくようにシーツを蹴り、腰を、体をくねらせて、悠が全身で限界を訴えてくる。しっとり汗ばんできた太腿にキスしてやり、「出しちゃいなよ」と言って、先端を撫でてやると、悠は「や、」と甲高い声を漏らして、仰け反る。 「ほら、楽になっちゃいなって」  そのまま片手で扱きながら、反対の指先で先端を撫でてやると、悠は「だ、め……っ!」とそれだけ悲鳴のように漏らして、それからビクビクと全身を震わせながら俺の掌に吐精した。  それを受け止めてやりながら、片手をさらに奥へと忍ばせる。 「――っ、あっ」  出したばかりの余韻で弛緩した悠のナカに、中指を滑り込ませた。そこはさっきとは違って、すんなりと俺の指を根元まで咥え込む。  熱くて、狭いが、痛がっている様子も無い。くいくいと中を探るように指を動かすと、悠が「ま、だ……」と息も絶え絶えに訴えてくる。イッたばかりだから止めて欲しい、ということかもしれない。ふむ、と一度動きを止めると、悠は荒い呼吸をしながら、俺を見つめてきた。  なんとも、蕩けた顔をしていて、そそられる。 「悠は、ナカの気持ちいいトコ、知ってるの?」  前立腺の悦びを知っているか否か率直に尋ねる。恥ずかしがらせてみようという気持ちもあったが、悠は一度イッて頭が回転してないのか、素直に頷いただけだった。  ああ、可愛いな。少し嬉しくなって、それならこの辺を擦れば悦ぶだろうと、ナカの指で内壁を捏ねる。 「あ、あ」  それは、すぐに見つかった。 「ま、っ、ひやまさ、……っ!」  ぐにぐにと、それを狙って指を動かすと、悲鳴のような声を上げて、また悠が悶える。処女なのにエッチな体だねえ、と囁いてやると、恥ずかしいのか顔の赤みが増したように思う。  涙目でこちらを見て、「ひやまさん」、と舌ったらずに呼んだから、「そうだねえ」と微笑んで指を増やすと、また悲鳴を上げた。でもそれは、痛みからくるものじゃあない。それぐらいは、わかる。 「うんと気持ちよくなろうね、悠」  ナカを弄んでやりながら、先程精を吐き出して大人しくなっていた性器を、ちろ、と舌先で舐めてやると、悠は泣き出しそうな声で喘いだ。

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