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第3話
入学式から始まった違和感。
最初は視線だけだったが、日が経つに連れ、それは徐々に変わり出した。
毎朝室内履きのスニーカーが新品になる。
机や椅子が綺麗に掃除されている。
体操服を含め一度着て脱いだ物は何故か瞬時に無くなり、次着る時には新品に変わっている。
流石に制服は替えがないからか無くならない。
まぁ、常に新品使えるから全然支障はないのだが、靴下やハンカチ迄新品に変わるのは謎。
一体何が起きてるんだ?
誰がこんな不可解な事をしているのだろうか?
新手の苛めか?
気になった為
『お前は誰だ?何が目的だ?』
ノートの切れ端に書き、靴箱の中に入れて帰宅した。
翌朝やはり綺麗になっていたスニーカー。
紙切れが無くなっているから、多分見ただろう。
何かしらの反応が返ってくるか?
不安になりながらも、教室に向かった。
机に座り中を確認すると
『昼休み、屋上に来て下さい』
ノートの上に手紙が乗っていた。
果たし状か?
つか、綺麗だな字。
見蕩れていると
「かずちゃん?」
不思議そうに凛茉が声を掛けた。
昼休み、いつもの様にご飯一緒に食べよ?凛茉に誘われた。
呼び出されてるが少し位待たせても大丈夫だろう。
急いで食べて屋上に向かった。
ガチャリ屋上の扉を開く。
フェンスの近くに誰か居る。
顔を見るとふわりその人は微笑んだ。
「良かった。遅かったから来てくれないかと思いました」
…………っ!?
何だ、コレ。
コイツの声エロい。
「はじめまして、先輩。つい先日入学した青葉時雨(あおば しぐれ)です。入学式の時先輩を見掛けて一目惚れしました」
え?
一目惚れって、は?
だって、コイツ有り得ない位格好良い。
背だって俺より高いし、顔もスタイルも声も全て最上級だ。
全身からフェロモンか何か出してんじゃね?って位エロいし。
そんな超絶美形な男前が俺を好き?
いやいやいやいや待て。おかしいだろ。
俺頭は良いけどそれ以外は平凡だし、今迄モテた事ないぞ?
まぁ、凛茉と付き合う前迄は髪も服装も適当で眼鏡掛けてたもんな。
尚且つ前髪切んの面倒だったしいつも本ばっか読んでたから周りに顔余り見えてなかったってのもあるが。
因みに凛茉に一目惚れした後は告白する前に色々変えた。
伸ばしっ放しでボサボサの髪を切り、コンタクトにした。
今迄楽だからと着ていたジャージや安くてダサい服は全部捨て、雑誌に掲載されてる服や店頭でマネキンが着ている服等を購入した。
で、告白したワケだ。
沼な奴より爽やかな奴の方がマシだよな?って思ったからだ。
実際2人で並んでガラスの前を通った時、嗚呼外見整えて良かったぁって安心した。
ダサい奴が美少女の横に立ったらそれだけで公開処刑だもんな。
って、凛茉は男だが。
つうか、コイツマジで格好良いな。モテんだろ絶対。
モデルとかやってそう。目鼻立ち綺麗だし。
ジロジロ不躾に見ていたら
「何か付いてます?」
クスリ笑われた。
うっわ、スッゲェ格好良い。
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