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第7話

何故だ? 「ほら」 アーンっ、食べさせて貰いながら食べる卵焼き。 「はい」 チュゥー、唇に差されるジュースのストロー。 「あっ、付いてる」 ペロリ舐め取られる唇。 何故こうなった? 消毒という恐ろしいキスをされた後、俺は凛茉と三浦に異常な位甘やかされている。 まぁ、凛茉は甘えてもくるから可愛いし、寧ろもっとして下さい!!なのだが。 「ほら口開けろ」 三浦お前一体どうした。 まぁ、食べるけどさ?楽だし。 三浦の膝に乗せられ食べさせられるお弁当。 時折凛茉もコレ美味しいよ?って口に突っ込んでくるし、絶妙なタイミングでジュースやお茶も飲ませてくれる。 箸も持たず、飲み食いさせて貰ってる俺。 えっと、介護ですか?コレ。 自分で食べようとしたら、食い意地張ってるとでも勘違いされたのか 「まだ口ん中残ってんだろ?時間あるんだからゆっくり食え」 なでこなでこ頭を撫でられた。 ふわぁ、気持ち良い。 もっとして? 思わずうっとり甘えそうになった瞬間、何やってんだ?俺。 慌てて正気を取り戻した。 「あ、あのさ、もう拗ねてないから。だから、な?」 多分2人は先程の罪滅ぼしでもしてるつもりなのだろう。 だが、俺的には謝って貰ったからもう解決済みだ。 「ん?俺等に甘やされんの嫌?」 「え、ヤなの?」 何故キョトンってしてんだよ?2人して。 「あっ、分かったぁ。足りなかったんだね。もぉ、甘えんぼさんなんだ・か・らぁっ」 「しょ~がないなぁ~」 は? 何言ってんだ? 理解不能な台詞だったが、何故か2人には通じ合っているらしい。 「ちょっ、待っ……っん、んん!?ぅぐ、んん、ふ」 「ふぁ、ん、ん、んんんっ」 状況は先程より激しく悪化した。 口移しで食べさせられるお弁当と、飲まされるお茶。 いや、ね、全く味に支障はないんだけどね。何故親鳥が雛に餌やるみたいな展開になってんだよ。 それと何故イチイチ舌絡めてくるんだ? 「美味し?」 うん、まぁ、美味いっちゃあ美味いけど 「普通に食べたい」 小さく呟く。 「……………………。あ~も~、分かったよ。そんなにお前が俺等に甘えたがってるなんて知らなかった」 「も~なになに?今日のかずちゃん可愛すぎだよ、もぉ」 ん? 何をどう解釈したのだろう。 2人はしょうがないなぁって笑った。 おっ、分かってくれたのか? これで漸く普通に食べれる。箸に手を伸ばそうとしたら 「ふぇ?!」 片付けられたお弁当。 え、まだ少し残ってたぞ? 「取り敢えず口直しね?」 飲まされるお茶。 コクコク喉を潤す。 いつもより食事量は少なかったが、疲れたしなんか違う意味でお腹いっぱいになった。 強制終了された食事。 休み時間はまだ残っている。 ゆっくり寛ぐ時間が出来た、そう思ったのは俺だけだったらしい。 「え?ちょっ、三浦、凛茉?」 三浦にネクタイを解かれた。 外されるボタン。 何これ?俺脱がされてね? 「あ、あの2人共何してんだ?」 阻止しようと指先を動かしたら 「え?だってかずちゃんが言ったんだよ?」 逆に首を傾げられた。 ん、俺何言ったっけ? 「お前が言ったんだろ?普通に食べたいって」 嗚呼、言ったね。 普通にお弁当が食べたいって。 「だから、食べさせてあげるの。普通にね?」 「まぁ、ある意味俺には食べられるけどな?」 んっと、この2人何言ってんだ? 意味が分からず凛茉を見てたら 「え?」 いつの間にか両手首に巻かれていた三浦のネクタイ。 凛茉に制服を脱がされ、俺は学校の屋上でパンイチという情けない姿になった。 何コレ、イジメ?泣くよ?マジで。 ジロジロ余す事なく見られる身体。 「へぇ~。明るい所で見てもスッゲェ肌綺麗だな。程良く筋肉も付いてるし」 感心した様に呟きながら三浦が俺の身体に手を這わす。 「でしょ、でしょ?此処とか綺麗なんだよ」 腕や腹筋や肋に触れる凛茉の指先。 あの、何? 何で2人して俺の身体ガン見して触診してんの? 綺麗言われるのは嫌じゃないけど、擽ったいし恥ずかしいから止めて? ていうか、そろそろ休み時間終わるんじゃね? いや、寧ろ終わってくれ。 早くこの謎空間から抜け出させてくれぇっ!! 「かずちゃん。かぁ~わいい」 チュッ。意地悪な顔でされるキス。 美少女に言われても説得力ゼロなんだが。 「コッチ見ろ鳴海」 無理矢理向かされ奪われる唇。 「……んっ、ふ」 折角凛茉のキス堪能してたのに。 三浦のバカ。邪魔すんな。 すかさずクイッ、凛茉に軽く腕を引かれチュッ軽く重ねられた唇。 はぁ、甘い息を零しながら 「ね、ココ……舐めて?」 凛茉は自分の制服のボタンを外した。 あ~もぉ~凛茉エロ可愛い。 迷わず胸元に舌を這わす。 チュッ、ンチュ、チュゥ。凛茉溺愛の俺にとって、凛茉は全てが甘くて美味しい。 「ぁん、かず…ちゃん……気持ち…良い……」 高くて甘ったるい声が耳を支配する。 俺を見る目がトロン蕩けてる。 嗚呼、可愛くて堪らない。 こうなったら最後、めちゃくちゃに甘やかして、もう無理って泣き付かれちゃう位凛茉を抱きたくなってしまう。 ヂュッ、強めに吸った瞬間 「……っひぁ!?」 何故か零れたのは俺の喘ぎ。 ビクビクンッ!身体が震えた。 って、何だ? なんか今スッゴクゾクゾクした。 「可愛いな、鳴海」 って、お前かよ三浦。 凛茉しか見てなかった為完全にガラ空きだった背中。 三浦が舌を這わしていた。

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