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After Story 2

「っぁ、あ、時雨、時雨…っ」 …………何故こうなった? 時雨に促されて自己処理していたら、何故か押し倒された。 で、気が付くと一気に挿入されていた。 嫌だ。こんな事したくない。 そう思うのに止まらない身体。 「ゃ、ぁっん、お願い。もっと、もっとして…っ」 身体がおかしい。 まるで自分の身体じゃないみたいに制御出来ない。 溶けちゃいそうな位熱くて頭が変になる。 嫌だ、壮嗣。壮嗣助けてっ。 怖い。こんなの嫌だ。 「ひぁあああっ。ひゃぁっ」 ひっきりなしに零れる喘ぎ。 全身が軽く触られるだけでビクビク震える。 「中…凄いですね。キュウキュウ貪欲に欲しがってますよ?まだ欲しいんですか?」 「うん…頂戴?もっと。もっと奥迄いっぱい……注い…で?」 最早自分でも何言ってんだか理解不能な台詞ばかり口から出てしまう。 「……っ、凄い千…紗。何もかも全部……ん、く、食べられちゃいそう…です」 搾り取る様に中に居る時雨を締め付けて快楽を貪る。 「……っ、出し…ますよ?ちゃんと残さず……飲んで下さい…ね?」 「ひぁっ、ぁっああ、あ、あっ、入って…くる。時雨……の、中…いっぱ…い」 激しく打ち付けられながら出され続ける時雨の白濁。 もう何度目か分からない位飲んでいるにも関わらず、まだ液体を欲する内部。 揺すられる度溢れて互いの身体とシーツを濡らす。 時雨と違い絶倫じゃない俺のはもう射精出来ず、時折透明の液体を気紛れに微量零す程度だ。 代わりに胎内が激しく蠢いて何度も絶頂に達したのだが、液体は出ずガクガク身体が痙攣しておかしくなる感覚に何度も襲われた。 まるでずっとイき続けている様な感覚だ。 いつもは一度射精したらすぐ治まるのに、不思議な事に出尽くして出なくなったにも関わらず消えない熱。 自分の身体に起きてる現象が理解出来なくて怖い。 苦しくて堪らない。 際限なく快楽を求める身体。 もう無理だ。休ませて?思うのに、熱が治まらないせいでいつまでも快感が続いて 「ヤダ、怖い。怖いよ。助けて。助けて……っ」 壮嗣。口から出そうになる名前を必死に飲み込んで我慢する。 今その名前を言ったら壮嗣に迷惑が掛かる。 唯でさえ時雨は壮嗣を敵視しているから。 だけどもう無理だった。 これ以上は苦しい。もうしたくない。 嫌だ、壮嗣。 助けて。側に来て? 今俺お前に………抱かれたいよ。 快感に耐えながら、涙を流した。 「………っ、ぃっつ」 目が覚めると全身が怠くて鈍い痛みに襲われた。 身体は綺麗にされていて、内部迄スッキリしているので多分時雨がお風呂に入れてくれたのだろう。 白くて大きめのシャツは時雨のに違いない。 って、シャツしか着せてくれてない。 これは起きてから着替えるしかないな。 ゆっくり身体を起こそうとしたが、酷使し過ぎたせいか全身筋肉痛みたいになっていた。 柔軟したらバキバキなりそうだ。 動かせない。 途方に暮れてジッと天井を見ているとカチャリ寝室の扉が開いた。 「おはようございます千紗。朝食の用意が出来たので一緒に食べましょう」 ベッドに近付き当たり前の様に俺を抱き上げる時雨。 恥ずかしかったが、動けない為ある意味助かった。 リビングのテーブルにはまるで旅館みたいに配膳された朝食があった。 味噌汁・白ご飯・漬物・鮭の塩焼き・だし巻き玉子・明太子。 凄く美味しそうだけど、コレ誰が作ったんだ? 抱かれたまま椅子に座ると 「口開けて下さい」 ごく自然に時雨は俺に食べさせ始めた。 壮嗣のせいで慣れている俺は普通に咀嚼しながら食べる。 「……っ、美味しい」 味も本格的だ。 まさかコレ取り寄せた的なヤツか? それか近くにお抱えシェフでも居るのかもしれない。金持ちだから。 素直に味の感想を口にすると 「良かったです。自信なかったんですが、千紗に満足して貰えて嬉しいです」 時雨は謎の台詞を返した。 ん、自信なかった? どういう事だ?まさかコレ時雨が作った、とか? って、まさかな。 「千紗に食べて貰える様に練習したんです。最初はご飯の炊き方さえ分からなくて焦りました」 照れながら話す時雨に 「え、え?」 戸惑いが隠せない。 嘘だ。これ絶対料亭のヤツだって。スッゴクスッゴク美味しいもん。 本当にこれを時雨が作ったのか。 「お気に召したのなら、これからも俺が作りますね」 これからも? 一瞬変なフレーズが入った気がしたが 「凄いな時雨。本当に美味しい。今度俺に料理教えてくれないか?」 今迄も時折時雨は変な台詞を口にしていたので気に止めない事にした。 「美味しかった。ご馳走さまでした」 手を合わせると 「いえいえ。喜んで貰えて幸せです」 物凄く嬉しそうに時雨は微笑んだ。 その後は食後のお茶を飲んで一休みして、歯磨きをしてくれた。 あっ、そういえば俺まだシャツ1枚だ。 着替えを借りるか昨日の服を返して貰うかしたい。 せめて下着位履かせてくれ。 「時雨。俺着替えたい」 そう言うと 「なら此方に来て下さい」 時雨は違う部屋に俺を通した。 まるで其処は実家の俺の部屋みたいな内装で一瞬目を疑う。 流石に家具は全て新品で高級なのだが、配置は一緒だ。 箪笥を開けると 「え?」 俺好みの服が沢山入っていた。 「全て千紗のですよ。好きなの着て下さい」 戸惑いながらも着替えたい気持ちが勝った俺は箪笥から必要なのを取り出して身に付けた。 凄くセンス良いし、着心地最高。 値段聞いたら怖いなきっと。 何故服があるのか、何故俺の部屋みたいなのがあるのか、聞きたい事は山の様にあるが取り敢えず 「ありがとう時雨」 時雨に礼を言った。 時計を見るとそろそろ登校の時間だった。 壮嗣心配してるだろうな。 もしかしたら一緒に居ないから怒ってるかもしれない。 嗚呼、急いで逢って抱き着きたい。 ギュッて強く壊れる位抱き締めて欲しい。 そして謝ろう。離れてごめん。時雨に抱かれてごめんって。 絶対物凄く怒られるけれど、もしかしたら嫌われちゃうかもだけど逢いたい。 顔が見たい。 「時雨。大学行こ?」 一緒に居る所を見られたら嫌な顔されるが、どうせその後すぐ抱かれた事を暴露して謝るんだ。 覚悟があったから一緒に行こうと誘ったのだが 「はい。行ってきますね」 時雨は変な解答をした。 行ってきます。一緒に行かないのか? 髪を整え、行く用意を始める時雨。 あっ、俺授業で使う資料家に置いたままだ。 一度帰らなきゃな。 って、ん? んんんんん??? えっと時雨何してんだ? 手早く首と右足首に着けられた何か。 足に目を向けると鎖の付いた枷みたいなのが着いていた。 鍵付いてるし、何だコレ? 足がそうなら首のもそうなのか? 鏡の前に行くと、凄くお洒落な黒い首輪が着けられていた。 なんかロックやビジュアル系のファッションを好む人が好きそうなデザインだ。 格好良い。 だが、何故着けられたのだろうか。 やはり鍵付いてるし。 「似合いますね」 嬉しそうに首を触りながら微笑む時雨。 えっとプレゼントってヤツかな。 でもちょっとコレ趣味悪くないか? 足枷なんて初めて着けたぞ。 「えっと、時雨。俺大学行かなきゃだから外してくれないか?」 こんなの着けて行ったら恥ずかしい。 ズボンを履けば隠せるが、流石にチェーン迄は隠せない。 巻いて隠したとしても歩く度ジャラジャラ音鳴りそうだしな。 「いえ、外しません」 ん? 「暫く大学には休学届けを出しました」 休学? えっと入ったばかりで時雨休むのか? でもさっき行ってきますって言ったような。 「千紗一緒に住んで下さい。もう二度と三浦先輩には逢わせません。此処でずっと2人だけで暮らしましょうね」 ちょっと待とうか時雨。 話が見えない。 此処に住む? 「家にあるのは何でも使って下さい。2人で使う為に用意しましたので此処にあるのは全て千紗の物でもあります。あっ、でも俺が居ない時は強制的に電波切る様にしてますので連絡手段はありません。勿論Wi-Fiも同様です」 う~ん、俺のでもあるってほんっと意味が分からない。 電波に対しても謎な事してるしいつも時雨の思考は難し過ぎて理解出来ない。 「そろそろ行かないと遅れますので行きますね。お留守番宜しくお願いします」 行く?お留守番? って、ちょっと待て。 まさか休学って時雨じゃなく俺? 「あっ、それ玄関のマット迄しか届かない様に計算してますので俺が帰ってくる迄良い子にしてて下さいね」 「は?ちょっ、時雨?」 「それでは行ってきます。千紗愛してます」 呆然としている俺に行ってきますのちゅうをすると 「え、マジか。ちょっ、はぁあぁああ!?」 時雨は俺を置いて大学に行った。

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