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一章
仄かに紅くのぼせたような眼差しが、俺の目を捕らえる。
次第に焦点が合い、再び怒りと羞恥に赤みを増す瞳を、
「……抱かせてください」
言って、見返した。
「……いやだ」
突き放そうとする身体を、壁に押し付けて、
そのままベルトを引き抜いた。
「よせ…やめろ…」
怯え頬をつたった涙に唇を寄せて、
「……泣かないでください。痛くはしませんから」
笑って見せると、後ろ手にベルトで手首を拘束した。
「い…いやだ……いや……」
繰り返して首を振る彼のズボンを一気に引きずり下ろして下着も剥ぎ取ると、手の中に陰茎を握り込んだ。
「あっ…うぅ…」
「……大丈夫です。痛くはしないと、そう言ったでしょ?」
宥めすかすようにも言って、首筋に濡れた舌を這わせる。
「……んぅ」
根元を扱きながら鈴口を指先で弄ぶうちに、
「……あっ、ん…」
声に艶が入り混じってくるのがわかった。
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