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五章
「何度でも、達かせてやる…」
濃厚なキスの合間に告げる。
「……んぅ……い…」
「それは、否定なんですか? それとも肯定のいい?」
聞き返した言葉に首を振って、俄かにキスから逃げようとする。
「……いいえ、ですか…」
ふんと嘲るようにも鼻を鳴らして、逃げるのを封じるように後ろの孔に指を突っ込んだ。
「……ふっ、く!」
まだ自分の放った体液が残っているのを、ぐちぐちと中で捏《こ》ねくり回す。
「……皐月課長? あなたを、逃がしはしないので……」
「……ん…いや…だ……」
「……いやじゃなくて、いいでしょう?」
開いた口から覗く舌に吸い付くと、ちゅくちゅくと唾液の混じる音と、背後をなぶるねちゃねちゃとした音とが、
次第にまともな思考を奪い去って、目の前の躰をただ愛撫することしかできなくなっていく。
「……いいと、言ってみてくれますか……」
奪われつつある理性の中で訊くと、
彼は、
「……いい……」
と、恍惚と答えた……。
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