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五章

「俺に……」 虚ろに見つめる瞳を見返して、 「……俺だけに、感じていて……」 口に入れたままで、腰を抱えると、 「……ん…かが…み…」 意識があるのかないのか、再び呼んで、 俺の髪に手をやり、くしゃくしゃと撫でまわした。 「……俺は、あなたを虜にできればそれでいいから、だから……」 シーツの上に転がるスティックを掴んで、ベッド脇のゴミ箱に投げ捨てた。 「こんなものよりもっと、俺の手に感じてください……」 全身を這うように撫で、ぐずるようにも声が上がると、 抱き締めて唇を求め、口淫で既にはち切れる寸前だったものを二度目の絶頂に導いた。 射精して荒く息をついて上下する胸に顔をうずめて、 「……あなたは、俺だけのものだ…」 と、しがみついた……。

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