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第4話

翌日、定休であるはずの店長が店に入ってきたのは、お客が少ない 時間だった。 「店長、休みに来られるなんて珍しいですね」 平日の夜は出勤のバイトも少なく、今日は俺と新人の奴だけだ。 二人でも暇になるほど今日はお客が少ない。 「本部から呼ばれてねー。休みに呼ばれるのは珍しいんだけどね」 「ブラック企業じゃないですか」 「ははは、本部なんてそんなもんさ」 指定された時間より早く着いてしまったんだと、コーヒーを片手に椅子に座る。 何時ものスーツ姿ではない、少しラフな格好なのは本当に突然呼び出しを食らったためだろう。 いつもなら年上に見える店長も、同年代なんだなあとぼんやり見ていた。 「なんでオレとドライブなんですか」 何となく、今なら聞けるような気がして聞いてみる。 店長はこちらを見て少し笑っていた。 「羨ましくてね」 その笑った顔が少しだけ寂しそうだ。 「君たちと僕って2歳しか変わらないの、知ってた?」 コーヒーに目を落とし呟くように店長は話し出す。 「高卒で就職して周りは同世代がいなくてさ。先輩たちに合わせているうちに気づいたら 実年齢より年上に見られることが多くなってさ」 ひどい時は5歳も上に見られたらしい。 「落ち着いてるからって言われて、僕もそんなものだと思っているけど」 君とバイト仲間達を見ていたら何だか良いなあって 僕にはそんな時代がなかったからね、と店長。 「ちょっと気持ち悪いかもだけど、君たちってキラキラしててさ。2つしか違わない僕はそれが 羨ましくて。仲間に入れてなんて、立場上いえないでしょ?」 それで一緒にドライブ行けたら・・とコーヒーをすする店長。 「でも何でオレだけ・・」 「あっ、もう時間だ!行かないと!」 肝心なとこは聞けずに、店長は奥の事務室へと向かう。 事務室で本部とつながっているスカイプで話をするらしい。 「明日、ドライブ楽しみにしてるからね!」 手を振りながら部屋に消えていった。 何だ?この青臭い、青春な話は。 とりあえず、岡崎達が思っているような話ではないってことか。 「何だそりゃ」 気づいたらそうオレは呟いていた。

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