3 / 8
第3話
それからの店長の浮かれようと言ったら半端なかった。
休憩中にはスマホを片手に「どこが良いかなー」と呟きながら笑っていたり
岡崎にオススメのドライブスポットを聞いてみたり・・・
はたから見ても、浮かれているのがわかる。
何でそんなに嬉しいんだ?
***
バイト帰りに店の横にある居酒屋で3人、飲むのが日課になっている。
居酒屋、と言っても学生達がたむろするような店で女子の姿も多い。
大学があるこの街では若者が夜になると集まってくる。
「ほんっと、相澤愛されてるわねーー」
ため息をつきながら岡崎がそんなことを言う。
隣で山崎がニヤニヤしてやがる・・
「・・別にただのドライブだし、デートじゃねえよ!!」
ハイボールを煽りながらオレは反論するが・・
「いやもうアレは恋する乙女でしょ。あ、エイヒレの炙りくださーい」
乾き物を注文しながら、そう答えた。
「こっちはパンケーキ!」
山崎は笑いながらオーダーする。何だパンケーキって。
「男にモテたって嬉しくねえよ!」
思わず大声で出てしまい、隣の2人連れの女子がギョッとした顔を見せる。
「明後日だっけ?天気予報も晴れのよーだし、よかったな!店長は明日休みだから洗車頑張るって
言ってたよー。あー、いじらしい」
「だからやめろってええ」
隣の女子がさらに盛り上がってしまったのは、いうまでもない。
明後日の天気は「晴れたり曇ったり」
当たり外れのない予報に、右往左往してしまう。
ともだちにシェアしよう!