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鉛じみた重たげな熱に入り口を抉じ開けられる。 「ッ……痛ぃ……っ」 二本の指で念入りに解されて大分柔らかくなったとはいえ、ブランクがあり、途方もない拡張感に式は弱音を吐く。 涙が独りでに溢れた。 しっとりと汗ばんだ肢体を強張らせ、真っ白な枕に後頭部を深く沈め、喉元の目立たない凹凸を引き攣らせた。 「やっぱり……むり……これ以上、は、だめ……」 オレンジ色の明かりに浮かび上がった式の裸身。 仰向けになった彼の両足を左右に押し開き、浅く繋がったところで一端動きを止めていた同じく全裸の隹は、青水晶の眼を意味深に細めた。 「そんなに痛むか」 懲りずに片腕で顔を隠した式はコクコク頷いた。 直前に装着された薄膜越し、窮屈な仮膣の内壁を割って挿入(はい)ってきた、申し分なく滾る熱塊に腹底がジンジンと疼いていた。 「でも、あんたのコレ」 片膝を掴んで固定したまま、もう片方の手で、隹は式に触れる。 「コッチはきもちよさそうにまた濡れてる」 萎えるどころか下腹部にまで跳ねて屹立していた式の熱源を緩々と握り込んだ。 式は腕の下で切れ長な目を見開かせる。 指の輪で上下に何度か愛撫されると、平らな胸を反らし、嫌々と首を左右に振った。 「だめっ……嫌だ……」 「……」 「あっ……!? だめ、だって……いや……っ」 隹は式の根元をきゅっと握り締め、じっとりと温む仮膣内へさらにペニスを捻じ込んだ。 「あんたの、俺の手の中で暴れてる」 掌の内側で脈動して咽び泣くように先走りを滴らせた式の熱源に、手加減なしに増す肉圧に、隹は武者震いした。 このまま一気に貫きたい。 欲望のままに突いて、手懐けて、とことん(ほふ)り尽くしたい。 危うい衝動に駆られた男は獣じみた所作で自分の上唇を舐め上げた。 「だめって、言ったのに……っ……やだ……もうさわらないで……」 こどもがえりしたかのような、今にも泣きじゃくりそうな様子の式を見下ろし、隹は深呼吸する。 「悪いな、式」 そう言って、また奥へ、捻じ込んだ。 「あッ」 「紳士的に優しくゆっくり串刺しにしてやるから許してくれ」 「ッ……ッ……信じられな……っ……もうやだ……お腹、くるし……」 「腹が苦しいって、この辺か」 大きな掌に薄い腹をなぞられて式は竦んだ。 内側と外側を同時に刺激され、甘苦しい恍惚に下半身を犯された。 式の両膝を掴み直し、嫌がる唇をきれいさっぱり無視して、隹はペニス根元まで仮膣に突き立てた。 手近にあったクッションを抱き締め、喉奥で唸る式に貪欲な飢えを募らせ、反抗的で生意気な締めつけをしばし堪能した。 「はぁ……っ……はぁ……っ」 式はクッションに顔を埋めて甲高い吐息を連ねている。 開かれっぱなしの両足の爪先を空中で不要に力ませ、時に抑えようのない痙攣に体中をビクつかせ、深い繋がりに健気に耐えていた。 律動が始まった。 閉ざされていた肉奥を規則的に小突かれ、連打され、より一層深いところにまで屈強なペニスを打ちつけられた。 「あ、っ、ん、はぁっ、ぁっ、んっ、くっ」 クッションは意地でも離さなかったが、いつになく低く短い呼吸音を鼓膜が拾う度、下腹部全体が重たげな熱を孕んだ。 こんなの知らない……。 何も考えられなくなって、どうにかなりそうで、やっぱり怖い……。

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