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第6話

 問われて夏也は視線を泳がせた。窓ガラスに写った自分が別人に見える。 「……いつ、気付きました?」 「初めて会った時、口元と声が似てて気になった。花峰くんずっと敬語だけど、実はもしかして歳上?」 「えぇ、本当はアウトですが、16でゴーグルマンデビューしました。背も今と変わらなくて老け顔だったから……部長に聞いたら、塚原さんより僕の方が2つ上でしたよ」 「……そうか……」  それより、と夏也は秋人の身体を撫でながら続ける。 「塚原さん、そんなに僕のこと好きだったんですね。リーマンモノのビデオ、1作品しか出てなかったのにセリフやシチュエーションまで再現してましたし」 「DVDがすり傷だらけになっても買い直して覚えるくらい見たから……一目惚れ、だったんだ」 「なるほど?」 「初恋だった……目だけは隠れてたけど、若いのは分かっていたし、この男に乱暴に抱かれたらどうなるのかと」 「されたいのか? 『俺』に」  変わった言葉遣いに、秋人の身体に再び熱が集まった。吐き出す吐息が、夏也を誘う。 「されたい……ビデオそのままじゃなくていいから、花峰くんの、その大きいので、虐められたい……」 「ふはは、塚原さんどんだけ変態なんだよ」 「花峰くんになら……何されてもいい」 「本当だな?」 「うん」  秋人が窓ガラスに手をついたまま、足を広げてお尻を突き出す格好で懇願した。

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