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第5話

「乳首、好きなんですね」 「っや、あ……っ」 「自分でも触ってるんですか?」  夏也の愛撫に、秋人は腰を震わせた。一度達した自身が再び硬さを取り戻す。 「ほら、乳首しか触ってないのに、もう硬くなった」 「っあ……花峰く……やめ……っ」 「あ、向かいのビル、残業してる人がいるみたいですね。電気ついてますよ」 「や……」 「ブラインドが開いたら、見られちゃいますね」 「っ、あぁ!」  夏也の言葉に、秋人は再び欲を飛ばした。窓に付着し、サッシに向かって垂れていく。 「あーあ、イッちゃいましたね。言葉責めも好きなんですか?」 「……向日葵の、ゴーグルマン……」 「……はい?」  問うたことの答えと違う言葉を発した秋人に、夏也の表情が凍った。快感の波に飲まれた秋人は、自分が誰に何を言ったのかも分からないまま続ける。 「『社畜お兄さんと向日葵』の、ゴーグルしたタチの顔に……花峰くんがそっくりで、カッコよくて……」 「……へぇ」 「花峰くんが、さっき、言ったの、同じセリフで……」  秋人は眼前の窓ガラスに垂れた自分の出したものを舐めた。その赤らめた秋人の表情に、夏也の喉がゴクリと鳴る。 「あの窓のブラインド、開かないかなって、ちょっと期待した」 「……塚原さん?」 「花峰くん、前職は映像関係って言ったよね?」 「はい」 「もしかして、タチのゴーグルマンで、ビデオモデル……やってた?」

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