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※第9話

「……ま、て、何を入れて……んだ」  ぐいっと脚を開かれ遠慮なく入ってくる異物に工藤は目を見開いて、激しく動揺する。昨日みたいな媚薬でまた乱すというのか。体力はもう底をついていて、同じことをされたら昨日のように抗う気力すら残っていない。 「ただのグリセリンよ。昨日は指で少し遊んだだけだけど、今日からは拡げたりするから、傷ついてばい菌が入ったら大変だし、綺麗にしなきゃ」 「拡げるって……てめぇ、俺もてめえみたいなカマにしようってのか、てめえと同じにするなよ」 「残念だけど、まだアタシはこっちは使ったことないわよ」 「どっちでもいい……ふざけんな」 変わらず啖呵を切る工藤の態度に、グリセリンの溶液をすべて注ぎこみながら串崎は言い聞かせるように工藤の耳元でつげる。 「そうね。昨日言ったでしょ、貴方のここはもうおまんこになるって」 「馬鹿言うな……」 「まだ分かってないのね。しょうがないわね」  空になったシリンジの蓋を外して、瓶から液体を注ぎなおし、再び注ぎ込んでいくと下腹部がふくらみを帯びはじめる。 「くる……しい、腹……そんなに、いれンな」  工藤はもがく様に腰をずらそうとするが、まったく動かすことすらできず、辛そうに呼吸を荒くするだけだった。 「甲斐。もうちょっとだけ入れたら、ちゃんと出させてあげるわ」 「も、むり……だ、やめッ、ろ……ッ」  嫌がる工藤は頭を横に振り続けるが、逃れる術もなくシリンジの中身を注がれ、アナルプラグを嵌める頃には、荒い呼吸を繰り返したまま全身にびっしょりと汗を掻いて、蒼白な顔をしている。 「あと五分我慢しなさい。ね」  串崎は堰きとめているプラグがびくびく震えるのを眺めながらほくそ笑んで、ぽこりと膨らんだ下腹部をマッサージするかのように撫で回す。 「や、め、っ……も、むり……だ、さわ、ん……ッくあああ……ッく、ああ……」  余程圧迫が苦しいのか、悲鳴をあげて体をのたうたせる工藤の顔を見つめて、串崎は言い聞かせる。 「いい?これからは、排泄も全部アタシの目の前でするのよ。甲斐」 「い……や……やだ、ああ、ああァ……」  やはり、どんなに苦痛だとしても一筋縄ではいかなようである。 「駄々こねないで。甲斐、出したいんでしょ。ちゃんとうんこするとこ見ててくださいって言ったら出させてあげるから」 「あァ、く……くッうう……いや…だッ」  串崎の提案にも頭をすぐに振ることはなく、酷い圧迫で痛む内臓に、工藤は身震いを繰り返す。 「ちゃんと言うまでそのままよ」 「……ッは……ッく」  工藤は頭をシーツに押し付けて、苦しさにしゃくりあげているようである。本当に意地をとことん張ろうとする様に、串崎は呆れ返ったような口調で更に追い詰めようとする。 「本当に学習しない子ね。早く言わないと、文言増やすわよ。そうね、甲斐の汚いお尻の穴からうんこひりだすところを見ててくださいにしたほうがいいかしらね?」  串崎の言葉に、これ以上我慢することが無意味なのと、更に恥辱を増す結果になることがわかって、工藤は焦って首を左右に振る。 「いうっいう…いうか…ら、あああ、ううう」 「うふふ、もう顔を真っ赤にして涙でぐちゃぐちゃになってて、可愛いわ」  工藤の泣き顔に、串崎はひどく興奮したような表情を浮かべると、工藤の腰の下に金だらいを据える。 「……う、ううう……うんこ…するとこ……っ見て……み、て…くださいッ……ッ」 「わかったわ、いいわよ。しなさい」  アナルプラグを抜くと、既に限界を達していたのか、びしゃびしゃと金だらいに音をたてて水っぽい便液を放ち、あとからゆっくりと軟便が落ちていく。 「……ふ、あああ、ぐああ、あああああ、ああ」  普通のプラスティックの容器ではなく金属のたらいに放つ音は部屋に淫靡に響いて、工藤はまざまざと今おこなわれていることを脳裏に焼きつけさせられた。

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